...)と言われたので、ふッつり留(や)める気になったぜ、犬畜生だけ、情(なさけ)には脆(もろ)いのよ...
泉鏡花 「婦系図」
...「畜生――」と彼は思わずひとり言をかっとばした...
犬田卯 「米」
...人が畜生を打つと」阿Qは自分の辮子で自分の両手を縛られながら...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...「畜生! ご覧の通り逃げちゃった!」「一体これやどうしたッてんだ? 泥棒が入ったんじゃないか? 金があるもんだから...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...(畜生(ちくしょう)どもたしかにいるぞ)と...
田中貢太郎 「雨夜草紙」
...犬畜生だ、ペチェネーグ人〔(中世ヴォルガ、ドニエープル、ドナウの間に遊牧生活を営んだトルコ系の民族...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...全く不思議な畜生だが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...こん畜生」後ろへさがって米友は待(まち)の形(かた)に槍を構え直した...
中里介山 「大菩薩峠」
...「畜生、勝手にしやがれ」大舌打ちを一つ、紙片を橋の上へ捨てた上、足でポンとけって、そのまま急ぎ足に湯島横町へ――そのあとで饅頭笠の小僧は、紙片を拾って、何処ともなく飛んで行ったことは言う迄もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...家畜か奴隷のレベルまで追いさげられるのだと思われる...
久生十蘭 「ノア」
...こん畜生め、おれがまだ買うなんて気(おくび)にも出さないうちに、売るとこきゃあがる!そこで今度は口に出して、「では、仮りに値段はどれくらいで?尤(もっと)もこんな代物に……値段のなんのというのは変ですがね……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...驚ろき騒ぐ家畜を追ひ立てて行くではないか...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...また松の畜生(ちくしょう)が邪魔に来やがった...
二葉亭四迷 「平凡」
...家畜の一種としての財産だったからだ...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...「ホントウダホントウダ」「ふくれとるふくれとる」「ドレドレ俺にも見せろよ」「フーン誰の子だろう」「わかるものか」「俺ア知らんぞ」「嘘吐(こ)け……お前の女だろうが」「馬鹿云えコン畜生」「シッシッ」というようなボソボソ話が...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...あんな好(い)い人とコンナ面白い生活が出来るんだけどナアとか……憎いアン畜生を...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...「――お地蔵さまという御仏(みほとけ)は、五濁悪世(ごじょくあくせい)といわれる餓鬼(がき)、畜生、魔魅(まみ)の巷(ちまた)には好んでお降(くだ)りある普化菩薩(ふけぼさつ)だということです...
吉川英治 「私本太平記」
...『アッ! 畜生ッ!』(仕舞った!)という感じと...
蘭郁二郎 「鉄路」
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