...二人は申合せたように両方から近づいて...
有島武郎 「カインの末裔」
...老女は猶かにかくと申合せる...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...これもその時の申合せじゃ...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...皆も申合せを忘れたやうに...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...漸くのことで、峰の頂まで登りきると、申合せたやうに、そこへ――濡れた草の上へ、べつたり腰を卸した...
竹久夢二 「砂がき」
...三人は申合せたやうに大欠伸をしながら...
辰野隆 「浜尾新先生」
...見てゐてあはれでござりました』皆は申合せたやうに默つた...
田山花袋 「道綱の母」
...東京界隈(かいわい)の農家が申合せて一切下肥を汲まぬとなったら...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...天下同意の人々申合せ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...「定何事によらず、よろしからざることに百姓大勢申合せ候を、とたうととなへ、とたうして、しひて願事企てるを、がうそと言ひ、あるひは申合せ、村方立退候を、てうさんと申し、他村にかぎらず、早々其筋の役所に申出づべし、御褒美として、とたうの訴人(そにん)銀百枚がうその訴人 同断てうさんの訴人 同断右之通下され、その品により帯刀苗字も御免あるべき間、たとひ一旦同類になるとも、発言いたし候ものの名前申出づるにおいては、その科(とが)をゆるされ、御褒美下さるべし...
中里介山 「大菩薩峠」
...あるひは申合せ村方立退候をてうさんと申し...
中里介山 「大菩薩峠」
...全村申合せて作らない事にして居るがこれは甚だ惜しい事だと思う...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...腹も立たねえな」「最初からの申合せで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...帝大法科の教授連が批判回避の申合せをし...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...町内の申合せだという夜番にも参加するんですねえ...
水上滝太郎 「遺産」
...能の前になるとよく囃子方諸氏が朔造氏の前に集まって申合せを行い...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...そんなに万人が万人申合せたように...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...屋(や)くの郷(がう)のうちに 宮内卿殿へ欲(ほ)しがられ候所にても 又いづくにても かうふく寺(光福寺)へ寄せたく候名所(などころ)とほど(程)などを承(うけたま)はり候へ 殿へも申合せさうらふべく候まづそのほども知りがたき身にて候ほどに 申しをき候生れそだちたる所にて候ほどに申をきさうらふかうゑい元年八月十三日清子(花押)うゑすぎのせうひつどのへ年号の「康永(こうえい)元年」は...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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