...こうして禄を頂いている甲斐がないじゃありませんか...
芥川龍之介 「邪宗門」
...気の毒ながら威張つた甲斐がない...
石川啄木 「雪中行」
...後押しをしてもその甲斐がないよ」そういうところをみると...
海野十三 「火星探険」
...折角海に来た甲斐がないわよ...
豊島与志雄 「月明」
...そんなことを言っても甲斐がないと思い返していると...
中里介山 「大菩薩峠」
...留(とめ)の地蔵様つんぼで盲目(めくら)いくら拝んでもききゃしない!せっかく紹介しても紹介し甲斐がない...
中里介山 「大菩薩峠」
...此の寒いのに膝掛を拾はれては東京を出るとき二十二圓五十錢を奮發した甲斐がない...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...今迄折角金(かね)を使つた甲斐がないぢやないか」代助は今更兄(あに)に向つて...
夏目漱石 「それから」
...来た甲斐がないでしょう...
久生十蘭 「キャラコさん」
...苦労して帰ってきた甲斐がないから」と真面目とも冗談ともつかぬ口調でいった...
久生十蘭 「ノア」
...生きている甲斐がない」ハロルドがじっと覗(のぞ)き込んだ顔は...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...友達甲斐がない――といふ意味を含めて...
牧野信一 「或る日の運動」
...でなければ行き甲斐がない――そんな希ひが強くなつて仕方がなかつた...
牧野信一 「蔭ひなた」
...あのお方は思っては下さらなかったのだ――わたしはいきる甲斐がない――わたしは...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お前……三年もの間かよいつめた甲斐がないじゃないかねえ...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...つとにその材料が亡びていては甲斐がない...
柳田国男 「雪国の春」
...入れ甲斐がないような気がして...
夢野久作 「近世快人伝」
...濫りに口外されちゃわざわざお話した甲斐がないや...
横光利一 「旅愁」
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