...田野を招く劉喨たる角(かく)の聲...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...二十四日の夜、山田友次郎、田野入利三郎が、正造の命をうけて被害民慰撫に埼玉県下へ馳けつけたが、やはり雲龍寺へいったもの同様彼等の気勢に圧倒されて何事もなしえなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...森林、田野、家屋の精霊は、第一に国民の想像力を、支配せしものにして、上流社会が、文化の進歩と共に、如何なる神話を産出するも、下層国民は、常にかの信仰を有したり...
高木敏雄 「比較神話学」
...その真髄に於て、毫も変化することなき、この民間神話は、原始の印度日耳曼民族の共有にして、森林、田野の祭祀を、精細に研究するときは此等の祭祀が、共通の根柢を有し、共通の風習を生ぜしことを、発見す可し...
高木敏雄 「比較神話学」
...なだらかなすそ野の果ての遠いかなたの田野の向こうには...
寺田寅彦 「軽井沢」
...田野は寂(さび)しかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その周囲には、単調な田野、耕作地、牧場、小さな流れ、大きな森、単調な田野……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...田野は白い濃霧に覆(おお)われて見えなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...フラックスのように田野の愛人である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...田野(でんや)遠く開けて...
中里介山 「大菩薩峠」
...酒樽は田野の指図で恰度私達の眼下の空地に並べられた...
牧野信一 「酒盗人」
...彼はそれらの古判をふんだんに振り撒いて田野の人を呼んだ...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...田野の生産とほぼ一様であって...
柳田国男 「海上の道」
...カタビラと名づけた理由はまったく一方山に拠(よ)り一方は田野を控えているためにすなわち片平というのであろう...
柳田國男 「地名の研究」
...大分県玖珠(くす)郡飯田村田野)それからこの県の東の沖にある姫島という島では...
柳田國男 「日本の伝説」
...――共にまだ役儀といっては、ほんの卒伍にしか過ぎません」「いずれも頼もしげなる大丈夫を可惜(あたら)、田野の卒として、朽ちさせておいたことよな...
吉川英治 「三国志」
...高松城をめぐるひろい田野や民家のある平地へ目がけて...
吉川英治 「新書太閤記」
...幾つも田野から突兀(とっこつ)と聳(そび)えている...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索