...だれか彼に惚(ほ)れた田舎娘の贈り物であろう...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「駅馬車」
...和漢倶(とも)に北国の田舎娘世に美人の名をつたふ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...T屋で田舎娘と床を並べて寝てゐたことだつた(安宿で合宿だから)...
種田山頭火 「松山日記」
...赤い腰巻をした田舎娘(ゐなかむすめ)が二三人腰をかけて...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...田舎娘が赤い蹴出(けだ)しを出して...
田山花袋 「田舎教師」
...尻をまくって赤い腰巻を出して歩いて行く田舎娘もあった...
田山花袋 「田舎教師」
...ひとつは田舎娘に似たモモの花を私は思ひ浮べた...
田山録弥 「三月の創作」
...笠を被った田舎娘の白い顔や雨に濡れた茶の芽を貫目にかけて筵にあける男の顔や...
田山花袋 「新茶のかおり」
...包一つを抱えた田舎娘(いなかむすめ)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...貧しい一人のリンゴ売りの田舎娘を愛したために...
蜷川新 「天皇」
...昔の田舎娘が、すつかり変つてしまつて、どこのお嬢さんかと思つたと小山は呆れてわたしを見ていた...
林芙美子 「淪落」
...まるで家出した田舎娘のやうな気持だつた...
原民喜 「氷花」
...純真で美しい田舎娘が玉座へ登る話ですね...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...何うもこの夜汽車の一人旅というやつは――」紳士は葉巻(シガア)を取出した「一つ如何です?」十七八の田舎娘が慌て這入って来て...
牧逸馬 「夜汽車」
...附紐(つけひも)のひら/\と長く垂(た)れたメリンスの着物にくるんだ赤ん坊を負ぶつた里行きらしいかみさんや、爺(ぢい)さん婆(ばあ)さんの老人づれ、背負商人、青服を着た職工、お坊さん、田舎娘、さうした姿が黄や赤や青や黒やの点々を国道に作つた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...ただの泥っ臭え田舎娘の言草たあ少し違うようだ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...それでただの田舎娘ができ上がったら満足していられないわけだから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...田舎娘は、辺りをながめて、(ああ、遅(おそ)かった……)当惑の眼をみはってしまったが、それから幾日か経つと、どこで仕入れて来たのか、餅(もち)だの飴(あめ)菓子だのを入れた竹籠を腕にかけて、畑や河原の兵たちの間を売り歩いていた...
吉川英治 「篝火の女」
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