...林檎が田舎娘のような可憐な薄紅色の蕾を武骨な枝に処せまきまで装い...
有島武郎 「フランセスの顔」
...和漢倶(とも)に北国の田舎娘世に美人の名をつたふ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...すつかり田舎娘の事はお忘れになつてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...風呂敷包を湯とんがけにした田舎娘が乗っていた...
田中貢太郎 「雪女」
...その田舎娘(いなかむすめ)みたいなお化粧(けしょう)が...
田中英光 「オリンポスの果実」
...その女の児は丸出しの田舎娘で決して美人でも何でもない...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...後者は厚化粧した田舎娘に似てゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...それに昔風の田舎娘を感じる...
種田山頭火 「其中日記」
...赤い腰巻をした田舎娘(ゐなかむすめ)が二三人腰をかけて...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...何処か田舎娘らしい無邪気さがあつた...
田山録弥 「ある日」
...頬(ほお)かむりをした田舎娘が...
田山花袋 「田舎教師」
...島田に結った白粉のなかばはげた田舎娘もあった...
田山花袋 「田舎教師」
...赤い腰巻をした田舎娘も見えなかった...
田山花袋 「田舎教師」
...貧しい一人のリンゴ売りの田舎娘を愛したために...
蜷川新 「天皇」
...田舎娘になって、おぼこらしく顔を赤めてお茶を召し上れか、一生に一度はこんな芝居もあってもいゝ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...なんにも知らない田舎娘の彼女はどんなにびつくりすることだらう...
北條民雄 「発病した頃」
...附紐(つけひも)のひら/\と長く垂(た)れたメリンスの着物にくるんだ赤ん坊を負ぶつた里行きらしいかみさんや、爺(ぢい)さん婆(ばあ)さんの老人づれ、背負商人、青服を着た職工、お坊さん、田舎娘、さうした姿が黄や赤や青や黒やの点々を国道に作つた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...木賃宿の亭主は、『せっかく寝たところを、起されてしもうた』ぶつぶつ呟いて、後(うしろ)の戸を閉めたが、ふと、女房や子ども達の寝ている夜具のすそに、見馴れない田舎娘がもぐっているのに気がついて、『あれ?ぬしゃあ、誰だ』『おら、宵に泊った客だがな』と、田舎娘は笑った...
吉川英治 「篝火の女」
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