...心待ちに待つてゐました...
芥川龍之介 「杜子春」
...心待ちに待つばかりだつた...
芥川龍之介 「六の宮の姫君」
...わかきもののおろかさあの空つぽの穴がなぜお前のために水を溢れさせよう私のためには水を溢れさせなかつたのに? 私は待ちに待つたがもう五十年以上も井戸は涸れてゐて海の非情の風が朽葉をふき散らすのを見るばかりだつた青年それではある時あの井戸に水の出て来ることがあると見える老人それはこのさびしい山にをどる聖い影ばかりが知つてゐる神秘の一瞬間だ人間は誰も知らない...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「鷹の井戸(一幕)」
...理由もない事を心待ちに待つてゐた樣であつた...
石川啄木 「二筋の血」
...理由もない事を心待ちに待つてゐた様であつた...
石川啄木 「二筋の血」
...待ちに待つた定めの騎士は赤袍を先とし黄青緑と順を逐うて左方より疾騙して場に出づれば...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...お鳥のことなどは全く忘れてゐた日であつた 待ちに待つた二論文の原稿料が揃つてやつて來た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...實は心待ちに待つてゐたのに――「實に怪しからん奴だ」と...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...今夜も誘いに来やしないかなと心待ちに待つようになる...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...待ちに待つた中原さんが来て待ちくたぶれて帰つたといふ置手紙がある...
種田山頭火 「其中日記」
...夜の明けるのを待ちに待つて...
種田山頭火 「其中日記」
...待ちに待つてゐた小僧さんが...
新美南吉 「百姓の足、坊さんの足」
...心待ちに待つやうになつてゐたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今日のお暇を待ちに待つて漸との事...
樋口一葉 「大つごもり」
...今日のお暇(いとま)を待ちに待つて漸(やつ)との事...
樋口一葉 「大つごもり」
...さつきから待ちに待つてゐたこの機會をすばやく捕へるが早いか...
堀辰雄 「窓」
...近所の未だ学校に上らない子供達がもう待ちに待つて居りました...
牧野信一 「泣き笑ひ」
...今度の小曲集こそ私の待ちに待つたものであつた...
室生犀星 「抒情小曲集」
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