...無知なる田夫野人(でんぶやじん)の口からさえ故事来歴を講釈せしむる事が珍らしくないが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...つまり幸太郎の田夫野人(でんぷやじん)ぶりをあたりにはばかって...
梅崎春生 「狂い凧」
...一方田夫野人何事をか仕出来(しでか)さんと高(たか)を括(くく)って高圧的(こうあつてき)手段(しゅだん)に出た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...法然(ほうねん)、親鸞(しんらん)、日蓮といったように、法燈赫々(ほうとうかくかく)、旗鼓堂々(きこどうどう)たる大流でなく、草莽(そうもう)の間(かん)、田夫野人の中、或いはささやかなるいなかの神社の片隅などから生れて、誤解と、迫害との間に、驚くべき宗教の真生命をつかみ、またたくまに二百万三百万の信徒を作り、なお侮るべからざる勢いで根を張り、上下に浸漸(しんぜん)して行くものがあります...
中里介山 「大菩薩峠」
...田夫野人をすすめることが年頃の本意であったが...
中里介山 「法然行伝」
...田夫野人(でんぷやじん)も守り得(う)るものであるらしい...
新渡戸稲造 「自警録」
...世の中で何の名もなく位もないいわゆる田夫野人(でんぷやじん)であっても...
新渡戸稲造 「自由の真髄」
...常識に基いた穏健な実着な思想といわんよりは寧(むし)ろローマンチックな奇抜な事を言い出したので田夫野人も趣味を以てこれに耳を傾け...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...七年の苦学を無にして田夫野人(でんぷやじん)と共に耒鋤(らいじょ)を執(と)り...
福田英子 「妾の半生涯」
...田夫野人(でんぷやじん)と伍(ご)して一生を終うるの覚悟をなさん...
福田英子 「妾の半生涯」
...全く兵術の心得などは弁へぬ田夫野人に剣を持たせて最も自由勝手な戦ひを演ぜしめ...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...何よりもまず目に立つのは田夫野人の言葉...
柳田国男 「雪国の春」
...門外漢の田夫野人の言葉でも古名人の境界を伝えている事が屡々あるのだから...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...文盲の田夫野人(でんぷやじん)でもあるまいが」「人でなくば...
吉川英治 「私本太平記」
...おれも田夫野人(でんぷやじん)と何ら変るところのない物騒な人間だった」「いやですよう...
吉川英治 「新・水滸伝」
...田夫野人でも武術には関心をもっているからだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...凡(ただ)の田夫野人(でんぷやじん)ではなかろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...」かくのごとく貴い比丘尼をさえも入るべからずという道場を見ると、田夫野人、国王大臣が自由に出入するのみならず、そこに住む僧侶は十悪(じゅうあく)十重(じゅうじゅう)を犯して恥じない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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