...もう器官は全然用をなさないのだ...
海野十三 「海底都市」
...特定の一目的のほかは何らの用をなさない機械なるものをあやつって高くたかく地を離れるのだから...
谷譲次 「踊る地平線」
...あれは煖房の用をなさないこと...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...古腰巻で! 私は痔が悪いから手製の特別なふんどしでないと用をなさない!冷たい雨が落ちだした...
種田山頭火 「松山日記」
...石油を入れてみると底のハンダ付けの隙間から油が泌(し)み出して用をなさない...
寺田寅彦 「石油ランプ」
...それからまた不幸にして最初の消防が失敗しすでにもう大火と名のつく程度になってしまってしかも三十メートルの風速で注水が霧吹きのように飛散して用をなさないというような場合に...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...それ自身独立孤立しては全く用をなさない...
戸坂潤 「科学論」
...片眼しか用をなさないものがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...人間でありながら人間の用をなさないと自白するくらいの屈辱として...
夏目漱石 「明暗」
...その用をなさないのである...
蜷川新 「天皇」
...人間が亡びるということをも言わなくては用をなさない言い方である...
山之口貘 「つまり詩は亡びる」
...彼のみじん流は用をなさない...
山本周五郎 「山彦乙女」
...一般に従来の他律的倫理は現代の生活に害こそあれ用をなさないものであると思う...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...完全な秘図の用をなさない以上...
吉川英治 「江戸三国志」
...大兵もついに用をなさない...
吉川英治 「三国志」
...この相手には用をなさないかたちであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...ほとんど用をなさないからであった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...鉈では用をなさないのである...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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