...私が來てから甞て一度もさう言ふ大雨は降つたことがありません...
江南文三 「佐渡が島から」
...甞ては優しい思い出となっていた妻の事さえ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...甞て聞く処あり、小虫の群集に害せられて危険に陥る事ありと...
関寛 「関牧塲創業記事」
...更に甞て予が厚く信ずる処の二宮尊徳翁の霊位を藻岩村(もいわむら)二宮尊親(そんしん)氏の家に至りて親(したし)く拝せん...
関寛 「関牧塲創業記事」
...ラングが甞て諭ぜし如く...
高木敏雄 「比較神話学」
...此点に関して、甞てウィリアム、ギルの著『南太平洋の神話と詩歌』の序文に於て、マックス、ミュラーは次の如く論じたり...
高木敏雄 「比較神話学」
...一遺跡と他の遺跡との間には甞て道路存在せしなるへけれど...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...今迄甞て知らない種類の焦慮に襲われてきた...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...彼等は甞て俺に何かを求めたであろうか……...
豊島与志雄 「過渡人」
...その上父は甞て近衛の聯隊に居たことがあって...
豊島与志雄 「楠の話」
...母は甞てそんなことを私に云ったことがなかった...
豊島与志雄 「楠の話」
...彼が甞て感じたようなことを逆に彼に語ってきかせる秀子が其処に居た...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...凡そ未だ甞て誰も思つてもみなかつた程発生してゐるのであるが...
中原中也 「芸術論覚え書」
...甞て私が人々が伝統から学ぶことを余りに等閑にしてゐることを唱へるや...
中原中也 「芸術論覚え書」
...然るにこの男が此の頃大変卑怯ではない人の分る事が分るのはどうしたことでせう?――この男は甞て心的活動の出発点に際し...
中原中也 「小林秀雄小論」
...甞ては私にも、金のペンで記すべき時代があつた! とラムボオがいふ...
中原中也 「我が生活」
...其鮮かさは甞て見た事がない...
吉江喬松 「山岳美觀」
...甞て稗史小説の予約出版を業とする東京稗史出版社の社員来って曰く...
若林※[#「王+甘」、第4水準2-80-65]藏 「怪談牡丹灯籠」
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