...香は甘し空こえて夏は来ぬ――銀(しろがね)の光さす白日のつばさを負ひて高天(たかあま)がける青竜やさなりその...
石川啄木 「閑天地」
...最初の一字の甘しとしただけがいささか覚束ないように思うけれど...
大杉栄 「獄中記」
...酸味を帶びて甘し...
大町桂月 「妙義山の五日」
...甘しと嘗めて稱(たた)ふれど...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...心境未だし、デッサン不正確なり、甘し、ひとり合点なり、文章粗雑、きめ荒し、生活無し、不潔なり、不遜(ふそん)なり、教養なし、思想不鮮明なり、俗の野心つよし、にせものなり、誇張多し、精神軽佻(けいちょう)浮薄なり、自己陶酔に過ぎず、衒気(げんき)、おっちょこちょい、気障(きざ)なり、ほら吹きなり、のほほんなりと少し作品を濶達に書きかけると、たちまち散々、寄ってたかってもみくちゃにしてしまって、そんならどうしたらいいのですと必死にたずねてみても、一言の指図もしてくれず、それこそ、縋(すが)るを蹴とばし張りとばし意気揚々と引き上げて、やっぱりあいつは馬鹿じゃ等と先輩同志で酒席の笑い話の種にしている様子なのですから、ひどいものです...
太宰治 「風の便り」
...蜜(みつ)の如く甘しだ...
太宰治 「人間失格」
...この「お母さんがよくこしらえて下すったあの甘しいプディング――あれはこうじゃなかった...
谷譲次 「字で書いた漫画」
...至るところ草肥え泉甘し...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...苦を甘しとなさざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...水を含んで之を甘しとし...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...次に泥を噛(か)んでそれを甘しとする...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...客、静かで甘し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...弱々しい彼を甘しと見て...
牧野信一 「三田に来て」
...液多くして夏橙(なつだいだい)よりも甘し...
正岡子規 「病牀六尺」
...過去の苦難の思い出は甘し...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...思出(おもひで)は古酒(こしゆ)の如(ごと)く甘し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...思出(おもひで)は古酒(こしゆ)の如(ごと)く甘し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...思出(おもひで)は古酒(こしゆ)の如(ごと)く甘し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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