...最初の一字の甘しとしただけがいささか覚束ないように思うけれど...
大杉栄 「獄中記」
...甘しとしただけがいささか覚束ないように思うけれど...
大杉栄 「獄中消息」
...いと甘し...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...心境未だし、デッサン不正確なり、甘し、ひとり合点なり、文章粗雑、きめ荒し、生活無し、不潔なり、不遜(ふそん)なり、教養なし、思想不鮮明なり、俗の野心つよし、にせものなり、誇張多し、精神軽佻(けいちょう)浮薄なり、自己陶酔に過ぎず、衒気(げんき)、おっちょこちょい、気障(きざ)なり、ほら吹きなり、のほほんなりと少し作品を濶達に書きかけると、たちまち散々、寄ってたかってもみくちゃにしてしまって、そんならどうしたらいいのですと必死にたずねてみても、一言の指図もしてくれず、それこそ、縋(すが)るを蹴とばし張りとばし意気揚々と引き上げて、やっぱりあいつは馬鹿じゃ等と先輩同志で酒席の笑い話の種にしている様子なのですから、ひどいものです...
太宰治 「風の便り」
...良人「お母さんがよく拵えて下すったあの甘しいプディング――あれはこうじゃなかった...
谷譲次 「字で書いた漫画」
...至るところ草肥え泉甘し...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...苦を甘しとなさざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...水を含んで之を甘しとし...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...客、静かで甘し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...余はいとも怪し気なる手つきにて得々然と茶をいれ一同にすゝめたるにジヤパン茶よりも甘しと称して各々四杯も代へたり...
牧野信一 「サフランの花」
...弱々しい彼を甘しと見て...
牧野信一 「三田に来て」
...おもいでは生よりも甘しとわれ暗黒(やみ)と静寂(しじま)の中に彼女(かれ)の胸の鳴るをきくその音をきけば...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...液多くして夏橙(なつだいだい)よりも甘し...
正岡子規 「病牀六尺」
...思出(おもひで)は古酒(こしゆ)の如(ごと)く甘し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...思出(おもひで)は古酒(こしゆ)の如(ごと)く甘し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...思出(おもひで)は古酒(こしゆ)の如(ごと)く甘し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...あはれ百合(ゆり)よりも甘し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...梅酸(ばいさん)も酸味(さんみ)敗戦もまた酸(さん)不同(おなじからず)といえども似たり心舌(しんぜつ)を越えて甘し馬上...
吉川英治 「三国志」
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