...九年母は蜜柑(みかん)のように甘くはありませんよ...
青木正児 「九年母」
...有明(ありあけ)の月のうすい光に、蕭条(しょうじょう)とした藪(やぶ)が、かすかにこずえをそよめかせて、凌霄花(のうぜんかずら)のにおいが、いよいよ濃く、甘く漂っている...
芥川龍之介 「偸盗」
...辛くもないが甘くもない...
石川啄木 「雲は天才である」
...てんでミミ族を甘く見ているのんきな連中もいた...
海野十三 「宇宙戦隊」
...甘く見ているんだな...
海野十三 「太平洋魔城」
...そうして彼はその細君に甘くなっていた...
夏目漱石 「明暗」
...御覧のとおり人間は少し甘く出来ております」「親分」ガラッ八は横から口を出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八五郎は甘く見られたわけですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お六はすつかり八五郎を甘く見てゐる樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お六に甘く見られたのも無理のないことでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そして、妙に音楽と云ふものが、甘く心に来ると、牧と、この儘、行くところまで行つて死んでしまつてもいゝと云つた風な気持ちになるのであつた...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...「甘くみるな...
久生十蘭 「あなたも私も」
...甘く見くびつたりさるべきものではない...
牧野信一 「浪曼的月評」
...そのことには、単に私が甘くて、名士好な人物に下らなくおだてられた(私として最大限の表現です)のが不愉快であるという以外に、ニュアンスがふと感じられたのでしたが、私のその感じは当っていたでしょうか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...愛情の生活から思想の生活に復(かへ)ると云ふ筋の全体は甘く出来た作だが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...「ふざけやがッて! この孫兵衛を甘くみたな...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「う? ……」と返辞が甘くなった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そんな深いことまで知っちゃいねえ」「甘く見るなッ」とまたひとつ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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