...うす甘い凌霄花(のうぜんかずら)のにおいが...
芥川龍之介 「偸盗」
...四十一と、突立(つッた)ったまま、苦(にが)い顔、渋い顔、切ない顔、甘い顔、酔って呆(ぼ)けた青い顔をしていた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...親父は一人娘で甘いのだし...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...只管(ひたすら)甘い恋に酔っている男女(ふたり)を...
江戸川乱歩 「黒手組」
...甘い匂いといっては...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...無責任に大げさな、甘い觀念論で、諸君を騙さうとして居るのでは無い...
太宰治 「諸君の位置」
...それは紺碧の色をした甘い匂いのする物であった...
田中貢太郎 「荷花公主」
...そう言えば夜の巴里(パリー)の甘い罪悪――あなたは...
谷譲次 「踊る地平線」
...お茶屋へ呼んで甘い言葉で誘いかけ...
徳田秋声 「縮図」
...砂糖の粉がふいてる甘いヨウカン二本手に入れた時のことだが...
豊島与志雄 「或る日の対話」
...孰(どちら)も他の西瓜や甜瓜のやうに甘い味を持つて生(なま)の儘稱美されるものではありません...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...一種の甘い悲哀を味わった...
夏目漱石 「門」
...甘いダンス曲が流れて来た...
林芙美子 「浮雲」
...ねえ今松さん」頭巾と一緒に面長の顔が甘い匂いでまた迫ってきたが...
正岡容 「寄席」
...何か甘いものを食べさゝれたらしかつた...
正宗白鳥 「奇怪な客」
...……ディレッタントは甘いものじゃありませんか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...その――苦痛を交(ま)じえて甘い欣(うれ)しい歓喜の火ばなは...
吉川英治 「私本太平記」
...「おまえが甘いからいけないのだ」と...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索