...甘(あまん)じて...
泉鏡花 「愛と婚姻」
...燃してしまった」白い焔と甘たるい匂いが...
梅崎春生 「記憶」
...散りかかつた紅薔薇(べにばら)のやうな甘い媚の表情を持つてゐる...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...そんなに甘くいってたまるものか...
太宰治 「駈込み訴え」
...甘い誇りにひたっていたものであるが...
太宰治 「八十八夜」
...バザロフなんて、甘いものさ...
太宰治 「火の鳥」
...そこの甘藷畑の中の小高い處に兎も角も腰をかけて繪具箱をあけた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...汝に戰利保つため我わが戰利失ふを甘んずべしと思へるや? 少女棄てよと命ずるや?若し寛大のアカイオイわが望むまゝ平等の 135戰利を我に與へなばわれ諾(うべな)はむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...もうそんな甘い感じもしなかつた...
徳田秋声 「のらもの」
...薄暮に先立つ夢想にはいかに愁(うれ)わしい甘さがあろうとも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...調子の低い甘っぽい歌ばかりである...
豊島与志雄 「新妻の手記」
...食(く)へたくなつちやしやうあんめえな」おつぎは甘(あま)えた舌(した)で言辭(ことば)は荒(あら)く勘次(かんじ)を窘(たしな)めた...
長塚節 「土」
...まだ母親に甘えている時は...
林芙美子 「新版 放浪記」
...皆にお土産の甘納豆をふるまっている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...甘えがましくはございますが...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...一種の甘い哀愁を帯びた超自然的な考えばかりを...
夢野久作 「死後の恋」
...いつまでも家臣どもに甘やかされて駄々ばかり捏(こね)ている和子様であってはならぬぞ...
吉川英治 「剣の四君子」
...はるか見渡すかぎり、人の影も見えず、荊州の城を望めば、まるで葬式のように、二旒(ふたながれ)の白旗がしょんぼりなびいているだけなんです」周瑜は、聞くや否、「甘寧、丁奉と来い」と、精兵千騎だけをつれて、まっしぐらに荊州城下まで駈け通した...
吉川英治 「三国志」
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