...不滋養物なるサッカリンをも甘く感ずるごとくに...
丘浅次郎 「人道の正体」
...甘露水といって見たり香水といったりするのはみな隠し言葉である...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...甘えすぎていますから...
太宰治 「千代女」
...杉野君は、ことし二十八歳であるが、それでも、傍で見て居られないほど、母に甘え、また、子供らしいわがままを言っている...
太宰治 「リイズ」
...すこぶる甘いうえに芳(におい)もいいので貴(たか)い値で売れた...
田中貢太郎 「種梨」
...あたしは甘えるような調子で...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...この想像が自分の心に甘えていることを...
豊島与志雄 「反抗」
...「お連れさんでしょう――そんならそうとおっしゃればいいに」甘ったれる調子で...
中里介山 「大菩薩峠」
...おとなしく「貰い下げ」運動でも試みようとするようなそんな甘い手では行くまい――だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...霞の中甘茶が沸いた茶が沸いた鐘は霞の中で鳴る甘茶がこげた茶がこげた小鳥(とり)も霞の中で啼く甘茶がはねた茶がはねた花も霞の中で咲く甘茶が燃えた茶が燃えた鐘は霞の中で鳴る...
野口雨情 「別後」
...あの時は甘々(うまうま)とお糸にやられたよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「若い女に甘えのはあっしで」八五郎は助け舟みたいに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...甘い囁きの夢に耽つてゐたのであるが...
牧野信一 「まぼろし」
...といってそれに甘んじなければならぬ私の境遇であった...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...『科学者と詩人』とは訳者の調子がわざわいしてやや甘たるいところが過重せられていると信じるが面白うございます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...甘為卑賎奴...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...春眠暁を知らずという甘睡(かんすい)の度を超えて...
吉川英治 「江戸三国志」
...――甘寧はもと江上の水賊である...
吉川英治 「三国志」
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