...周匝(あたり)にひびく駒下駄の音を石甃に刻み乍ら...
石川啄木 「葬列」
...甃(いしだだみ)に伏して...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...車は平坦な甃石路(いししきみち)を走りだした...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...円楹甃瓦(えんえいしゅうが)は夕陽に彩(いろど)られ...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...二つは低い石甃(いしだたみ)の壇(だん)の上に並んで立っていて春琴女の墓の右脇(みぎわき)にひと本(もと)の松(まつ)が植えてあり緑の枝が墓石の上へ屋根のように伸(の)びているのであるが...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...石段を甃(たた)んだり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...井卦には井泥・井谷・井渫・井甃・井洌・井收...
内藤湖南 「易疑」
...又点滴の雫が甃石(しきいし)に穴を穿つが如く根気よく細字を書くより外に道がない...
永井荷風 「申訳」
...石甃(いしだたみ)を行き尽くして左へ折れると庫裏(くり)へ出る...
夏目漱石 「草枕」
...余は石甃(いしだたみ)の上に立って...
夏目漱石 「草枕」
...」彼は甃石(しきいし)の上に私を降ろした...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そしてその石甃の両側には...
堀辰雄 「三つの挿話」
...一石橋の甃石の日の光りは岡山生れでありながら東京錦絵風景を好んで愛された画伯の筆によくよく写されてゐるけれど...
正岡容 「下町歳事記」
...玉の甃(いしだたみ)暖かにして...
南方熊楠 「十二支考」
...長いこと黙って甃のところからその犬と向いあって坐っている内に...
宮本百合子 「犬三態」
...中央の白い花崗岩(みかげいし)の石甃の上を...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...青ざめた甃石(しきいし)の水溜りに...
横光利一 「上海」
...ジェームス・ヴェンは恐しさのあまり甃石の上に立ちつくした...
渡辺温 「絵姿」
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