...これを結びたる天糸は、本磨き細手の八本撚(よ)りにて、玲瓏たる玉質、水晶の縄かとも見るを得べく、結び目の切り端の、処々(しょしょ)に放射状を為すは、野蚕(やさん)の背毛(はいもう)の一叢(むら)の如し...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...何か私を玲瓏(れいろう)たるものに浄化してくれ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...豁然として天地玲瓏...
種田山頭火 「行乞記」
...玲瓏として冴えわたる月光がおのづから天地の悠久を考へさせた...
種田山頭火 「其中日記」
...ある寺の一間からは玲瓏としたなつかしい琴の音などが洩れた...
田山花袋 「日光」
...145足銀色の玲瓏のテチス...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...』足銀色(ぎんしよく)の玲瓏のテチス答へて彼に曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...足を乗する地もなく冷瓏(れいろう)虚無の真中(まなか)に一人立つ...
夏目漱石 「幻影の盾」
...モーツァルトの邪念のない玲瓏(れいろう)たる音楽を聴いて...
野村胡堂 「楽聖物語」
...玲瓏として輝くばかり...
野村胡堂 「江戸の火術」
...生得の麗質が年齢を刻(きぎ)む由もないほど玲瓏(れいろう)としているためでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...感傷至上の三昧は玲瓏たり...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...八面玲瓏一點無私のおもかげに添ひて...
樋口一葉 「琴の音」
...玲瓏と月のわたる千古の密林を洩れる琴の音は...
久生十蘭 「黄泉から」
...「鏘々として鳴つて玲瓏たり……」――「おゝ...
牧野信一 「バラルダ物語」
...玲瓏とした楽しい音色をつづけた...
室生犀星 「みずうみ」
...白玲瓏(びゃくれいろう)たる十五夜の月が...
吉川英治 「三国志」
...玲瓏(れいろう)とさえかえった空には...
吉川英治 「神州天馬侠」
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