...八面玲瓏(れいろう)の椿岳の才機は伊藤を助けて算盤玉以上に伊藤を儲(もう)けさしたのである...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...玲瓏(れいろう)として透徹(すきとをれ)るが暾(あさひ)の暉(かゞやき)たるはものに比(たぐ)ふべきなしと...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...其地如レ敷レ玉闕台映楼台玲瓏...
高木敏雄 「比較神話学」
...それが皆俳句そのものであるようなきわめて玲瓏(れいろう)透徹な感じがして...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...まるで桃太郎のように玲瓏(れいろう)なキリストのからだの...
太宰治 「俗天使」
...玲瓏(れいろう)玉を磨き上げたような容貌と相俟(あいま)って寸分の身揺ぎもしなかったが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...頸筋をこちらに覗(のぞ)かせているロゼリイス姫の玲瓏(れいろう)さ! 白絹の垂れ幕の彼方ながら...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...何か私を玲瓏(れいろう)たるものに浄化してくれ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...この玲瓏(れいろう)として充実せる一種の意識...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...足を乗する地もなく冷瓏(れいろう)虚無の真中(まなか)に一人立つ...
夏目漱石 「幻影の盾」
...実に玲瓏(れいろう)たる恋だったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...親分」お半の顔は玲瓏(れいろう)として一点の陰影もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八面玲瓏一點無私のおもかげに添ひて...
樋口一葉 「琴の音」
...彼女の顔も玲瓏(れいろう)たる鏡のなかへ消え失せてしまったのである...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...玲瓏無垢な幸福をつくるために役立てられるというより...
宮本百合子 「幸福の感覚」
...その景観の玲瓏秀抜...
横光利一 「欧洲紀行」
...玲瓏(れいろう)として涼し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...すなわち七言八絶を賦(うた)って――銅雀台ハ高ウシテ上天(ジョウテン)ニ接ス眸(メ)ヲ凝(コラ)セバ遍(アマネク)ス旧山川(キュウサンセン)欄干(ランカン)ハ屈曲シテ明月ヲ留メ窓戸(ソウコ)ハ玲瓏(レイロウ)トシテ紫烟(シエン)ヲ圧ス漢祖ノ歌風ハ空シク筑(チク)ヲ撃チ定王ノ戯馬(ギバ)謾(ミダリ)ニ鞭ヲ加ウ主人ノ盛徳ヤ尭舜(ギョウシュン)ニ斉(ヒト)シ願ワクハ昇平万々年ヲ楽シマンと...
吉川英治 「三国志」
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