...馬琴は喜んで、この親友をわざわざ玄関まで、迎へに出た...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...いきなり馬琴の膝(ひざ)の上へ勢いよくとび上がった...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...「榊原康政――榊原琴洲(きんしう)――榊原健吉……」言語学者は榊原と姓のつく者を片(かた)つ端(ぱし)から記憶のなかに呼び出してみた...
薄田泣菫 「茶話」
...手風琴だの安っぽいきいきい言う胡弓だのを賑やかに弾いていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...(今時分まで、何うして、この老女だけが起きているのか? 祈祷の係ともちがうのに)梅野は、上座へ坐って、静かに「何しに、今時、庭へおじゃった?」深雪が、顔を上げると、拝領物を飾る棚、重豪公の手らしい、横文字を書いた色紙、金紋の手箪笥、琴などが、綺麗に陳(なら)んでいた...
直木三十五 「南国太平記」
...書院から泉水を隔てて約二百メイトルの小山に立つ松琴亭の床の間には...
野上豐一郎 「桂離宮」
...私は、抱琴のために、ページをさきすぎたようだ...
野村胡堂 「胡堂百話」
...「何です、これは」「浦島(うらしま)の玉手箱だ、あけちやならねえ、――耳を貸しな、少し含んで貰ひてえことがある」「へエ――」「たまには耳も掃除(さうぢ)して置くんだぜ、いゝ若い者が、こんな汚い耳をして居ちや、お琴さんだつて、結構なことを囁やく氣にもなれないだらうぢやないか」七その晩中江川平太夫の家で、大變な騷ぎが起つたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...下女のお文をお琴の部屋に一緒に寝かした上...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...瀧澤馬琴の八犬傳に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あちらに手風琴が転がつてゐるかと思ふと...
北條民雄 「牧場の音楽師」
...(少くとも或るものは)馬琴の煩悶に托して芥川は...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あなた様の琴の音で昔が思い出されます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...槽(おけ)や土器(かわらけ)を叩きつつ二絃(にげん)の琴(きん)に調子を打った...
横光利一 「日輪」
...琴弾(ことひき)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...私の暇(いとま)には蘭(らん)を愛し琴(きん)を奏(かな)で書(しょ)もよく読むといったような文彬だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...お琴でも蔭から聞え上げてはと...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...……ではこのお方が、あの有名な」「お初にお目にかかります」と、塔十郎は不躾(ぶしつけ)にならない程度に、花世の顔を正視しながら、初対面の挨拶を交わして、静かに、品よく、四方山(よもやま)の座談に移る――まず彼女の父の消息をたずね、江漢老人との旧交ぶりを語り、床の間に見える八雲箏(やくもごと)から、琴の話、挿花(いけばな)の批評、東都の感想、江戸と上方との流行の差などほとんど尽くるところがない...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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