...薄ら寒い影が纏(まつ)わっている...
芥川龍之介 「小杉未醒氏」
...何か妙に薄ら寒い...
芥川龍之介 「将軍」
...17僕は薄ら寒い築地の通りに立ちつくして...
海野十三 「深夜の市長」
...宵の口から吹きはじめた薄ら寒い西の風が...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...秋の末のような薄ら寒い気候が農作に肝腎な夏の盛りのすべてを占めた...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...なんだか薄ら寒い心地で眼をさますと...
豊島与志雄 「或る夜の武田麟太郎」
...薄ら寒い春先の夜更の街路を歩いていった...
豊島与志雄 「死の前後」
...ぞっと薄ら寒い気がした...
豊島与志雄 「白血球」
...薄ら寒い髯が伸びかかっていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...そうしてどこかに薄ら寒い憐(あわ)れな影を宿している...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...親分」ガラッ八も少しばかり薄ら寒い心持になります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄ら寒い二月の、ある朝の一と刻、八五郎の人生觀が、この不思議な事件へ錢形平次を追ひやる動機でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄ら寒い心持ちが胸に映える...
水野葉舟 「黄昏」
...まだ薄ら寒い朝の町を...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...これまで薄ら寒い雨の日などが続いて...
森鴎外 「雁」
...浅春(せんしゅん)の陽は白々と薄ら寒い...
吉川英治 「新・水滸伝」
...薄ら寒い黒衣(こくえ)を袈(か)けた師であった...
吉川英治 「親鸞」
...晩秋の薄ら寒い風の中を...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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