...何がなしに理由のない憤怒が心を突く...
石川啄木 「赤痢」
...「私ほど辛い悲しいものはない!」恁(か)う理由のないことを...
石川啄木 「鳥影」
...人間が機械に服従する理由のないことを信じていてまちがいはない...
伊丹万作 「演技指導論草案」
...お前達は理由のない恐怖をすてゝ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...私が或る特殊の権利をもって私のものと称したところのこの身体は他のいずれの物体よりもいっそう多く私に属すると私が信じたのは理由のないことではなかった...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...いわんやなんら笑うべき正当の理由のないのに笑うという事は許すべからざる不倫な事としか思われなかった...
寺田寅彦 「笑い」
...わざわざ伊達巻(だてまき)など買いに来たのも理由のないことではなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...それは理由のないことではない...
戸坂潤 「科学方法論」
...今もし幾何学的直観が経験的直観であるならばr≡gという仮定は全く理由のないことである...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...まんざら理由のないことでもないのであつてみれば...
中原中也 「亡弟」
...彼女が可愛がられるのも理由のないことではない...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...理由のないことではなかったんだぞ...
久生十蘭 「喪服」
...あれには何か理由があるんですか?東山――わたしのとこの新聞では理由のないことは書きません...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...満更(まんざら)理由のないわけでもありませぬ...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...理由のない――理由のわからないさきほどの悲しみを...
三好達治 「霾」
...理由のないことではない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この豊かな水にいっぱいの塩を与えているという現象――これは理由のない筈がないではないか...
横光利一 「欧洲紀行」
...それはどういうものか別に理由のないことで...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索