...微かなる明暗の交替を現ずるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...仰ぐちからに不断の永生の流転(るてん)現ずる尊(たふ)ときひらめきか...
石川啄木 「詩」
...その亡魂の夜な夜な不思議を現ずるものなるべし」など...
井上円了 「おばけの正体」
...行為の上に現ずるものとの二種に分かちてこれを略陳せんに...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...親鸞上人(しんらんしょうにん)は「煩悩(ぼんのう)の林に遊(いで)て神通を現ずる」(遊煩悩林現神通(ゆうぼんのうりんげんじんつう))といっておられます...
高神覚昇 「般若心経講義」
...未来の生活が如何(いか)なる姿を現ずるかは初から問うところでないかも知れぬ...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...芥子粒の上に須彌山が現ずるといふ...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...丈太郎と香の煙から現ずるお園との遊戯は...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...ストイキア神夜家や野などに現ずる時...
南方熊楠 「十二支考」
...『起世因本経』二に転輪聖王(てんりんじょうおう)世に出(い)づれば主蔵臣宝出でてこれに仕う、この者天眼を得地中を洞(とお)し見て有王無王主一切の伏蔵を識(し)るとあるから、よほど古くより梵土で伏蔵を掘って国庫を満たす事が行われたので、『大乗大悲分陀利経』には〈諸大竜王伏蔵を開示す、伏蔵現ずる故、世に珍宝饒(おお)し〉という...
南方熊楠 「十二支考」
...何故穀精がかく様々の動物の形を現ずると信ぜらるるかとの問いに対(こた)えん...
南方熊楠 「十二支考」
...相を現ずることかくのごとし...
南方熊楠 「十二支考」
...絶對の相對を現ずるや...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...己は目の前に恋愛の美しい幻影が新に現ずるのを見た...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...法皇の「基督共和國」(republica christiana)は神の國を目前に現ずるものと視られるのである...
森鴎外 「古い手帳から」
...おまへも葉と 現ずるまではいらいらと さぶしかつたらうな葉よ...
八木重吉 「秋の瞳」
...そうした人間は化学的の驚異を現ずることが出来ます...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...時には梵天の身を現ずる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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