...彼女は奇物好きで、珍妙な装飾品をたくさん集めている...
...三太郎の躍る恰好は定めて珍妙だつたらうねなどと云つて冷かす友人がゐなかつたのは幸だつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...けだし珍妙なものだった...
石川欣一 「比島投降記」
...顔を珍妙にしがめて...
岩野泡鳴 「猫八」
...まったく珍妙な光景だった...
海野十三 「怪星ガン」
...この珍妙(ちんみょう)な形でもって...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...どうも文明開化の学生にも似つかわしからざる原始的と言いたいくらいの珍妙な発明談に熱中して...
太宰治 「惜別」
...私は地下足袋で頬かむりの珍妙姿...
種田山頭火 「行乞記」
...想像してゐたよりもはるかに珍妙な仮装であることが判つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...あの記事なども科学者の目には実に珍妙なものであった...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...実に力の珍妙な証明法ではないか...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その人物が珍妙であると共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...珍妙にして恐るべきカドリルよ! ハガァド曰(いわ)く...
中島敦 「光と風と夢」
...とうとうこの珍妙な探りあいにしびれを切らしたチチコフが思いきって訊ねた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...――――――――十一月四日――フランス人居住区で「死」にまつわる珍妙な講演を聞いたが...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...供人は盛裝喧噪して珍妙に唄ひ踊り續ける...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...天来の珍妙性をもって信頼される良人というものは何たる天下の果報者でしょう(!)きのうも九十度になりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...奇妙キテレツ珍妙無類な...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ところで又その足跡が頗(すこぶ)る珍妙なんで...
夢野久作 「二重心臓」
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