...五十分の授業の間を教室の隅に立たして置くなどは珍しくもない事で...
石川啄木 「足跡」
...清さんや清さんのお袋は、またどうしたかごきげんが悪いや、珍しくもない、というくらいな心で気にかけない...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...私に取っては珍しくもない...
橘外男 「仁王門」
...世間一般の例から云ってみるとありふれた珍しくもないことである...
田中貢太郎 「蟇の血」
...これは別に映画では珍しくもない技巧であるが...
寺田寅彦 「映画雑感6[#「6」はローマ数字、1-13-26]」
...珍しくもない鳳仙花(ほうせんか)の種であった...
寺田寅彦 「柿の種」
...五十文字ぐらいは普通だし六十字ぐらいまではたいして珍しくもないようである...
寺田寅彦 「俳句の型式とその進化」
...半枯れかかっている病樹の下に立って更に珍しくもない石碑の文をよみ...
永井荷風 「百花園」
...これがために「涙でよごす白粉(おしろい)のその顔かくす無理な酒」というような珍しくもない唄(うた)が...
永井荷風 「日和下駄」
...珍しくもない裏宿七兵衛でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...全くその会社では珍しくもないものになつてしまつた...
中原中也 「蜻蛉」
...目に慣れて珍しくもないが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...珍しくもない話だけれど...
二葉亭四迷 「平凡」
...一向珍しくもない小鳥だ...
堀辰雄 「巣立ち」
...ために来訪の客はおろし立ての白足袋を汚してしまふたといふやうな事は珍しくもないのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...何の珍しくもない事だった...
南方熊楠 「十二支考」
...珍しくもない仏頂面(ぶっちょうづら)をあわせるだけで...
室生犀星 「姫たちばな」
...珍しくもない亭主なので...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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