...彼は無用の拘泥が天地と自己とを前にして玲瓏として生きむとする生活を曇らして...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...これを結びたる天糸は、本磨き細手の八本撚(よ)りにて、玲瓏たる玉質、水晶の縄かとも見るを得べく、結び目の切り端の、処々(しょしょ)に放射状を為すは、野蚕(やさん)の背毛(はいもう)の一叢(むら)の如し...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...玲子の云う台辞(せりふ)がまるで違っている個所があった...
海野十三 「獏鸚」
...要するに玲子は非常の際...
海野十三 「獏鸚」
...玲子巨億の財宝や暁団や江東のアイス王のことはどうなったかいまだに手懸りがない...
海野十三 「獏鸚」
...玲瓏玉の如く潔い」斯く考へる事が春三郎に取つて此上無き慰藉であつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...「市川玲子(れいこ)」震えを帯びた低い声だった...
高見順 「如何なる星の下に」
...「――あの人が玲ちゃんから大屋五郎をさらって行ったみたいなまねは...
高見順 「如何なる星の下に」
...玲瓏(れいろう)玉を溶かせるごとき霊泉の中に紅白の蓮華が一時に咲き満ちたような感じがしたのであった...
寺田寅彦 「二つの正月」
...大切にするんだよ」暫くして、また玲子が言う...
外村繁 「澪標」
...拝殿に掛けた父の最後の傑作――玲瓏(れいろう)たる名鈴(めいれい)の音(ね)に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...感傷至上の三昧は玲瓏たり...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...玲子はほっとタメ息を一つして廊下を引返して玄関に出た...
夢野久作 「継子」
...まあ呆れた人ねえ玲子さんは……あなたはねえ...
夢野久作 「継子」
...ちょうどその時にこのサローンであの女と玲子さんとの問答が初まったのです...
夢野久作 「継子」
...われは玲瓏(れいろう)たる身一つにて逃(のが)れ出(い)でぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...玲瓏(れいろう)の仏光を体得して...
吉川英治 「親鸞」
...いつ会っても玲瓏(れいろう)と笑えるあの顔は羨やましいものである...
吉川英治 「人間山水図巻」
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