...つまりこの匪賊達が王道楽土反対主義に立っているからであり...
戸坂潤 「社会時評」
...併し之は満州の王道楽土のことで...
戸坂潤 「社会時評」
...満州事変は「皇道精神の宣布」や「国徳の発揚」や「王道楽土の建設」などという...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...ですから、それを、わたしの開墾地ではやめようと思います、正当に衣食を作る人には、正当にその分け前を与えます、そうして、衣食のために人間が人間に屈従することなく、衣食そのものは人間以外の天の恵み――とでも申しましょうか、そこから得て、人間はおたがいに人間としての平等な体面をもって活(い)きて行こうというのが、わたしの開墾地の目的なのです」「ははあ――それは結構なお考えに違いありません、が、しかし、仮りにその目的が達せられたとしましてですな」「はい」「そうして、人間が生活のために、つまり衣食のために、おたがいに屈従することなく、衣食の余りある生活の下に、人間の自由が伸び、享楽が増し、まあいわゆる、王道楽土とか、地上の理想国とかいうものが成立したとしましてですな」「はい」「その時に、もし隣の地に悪い奴があって、その理想国を羨(うらや)み、その余裕のある宝を奪いに来たらどうします」「そういうものが多少現われたところで、わたしたちの団結の力で受けつけません」「ですけれども、それがもし、その悪い奴が多少でなく、二人や三人や五人や十人ということでなく、数百、数千の人が団結して侵して来たらどうします」「その時は、わたしたちのうちの男は鍬(くわ)を捨てて、女はつむぎを投げ捨てて、その外敵を弾(はじ)きかえします」「してみると、そういう不時の侵入者に対して、平常の用意というものが要りますね――五六十人の敵ならば、有合わす得物(えもの)を取って、応急的に追っぱらいましょうけれど、千人万人の侵入者に対して素手(すで)というわけにはゆきますまい、先方もまた必ず素手でやって来るというわけでもありますまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...四民がみな王道楽土を謳歌(おうか)しての泰平ではなくて...
吉川英治 「親鸞」
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