...一隅に玉蜀黍(たうもろこし)の莢(さや)敷きたるを指し示し...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...玉蜀黍の葉が風に鳴り...
石川欣一 「山を思う」
...両側からお化(ば)けのように葉をたれている玉蜀黍(とうもろこし)や高粱(こうりゃん)をかきわけて行かねばならなかった...
海野十三 「骸骨館」
...こちらには玉蜀黍(たうもろこし)と蔓豆(つるまめ)とが作られてゐる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...何よりも(も)ぎ立ての玉蜀黍を食ふのが一番好物だといつてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...これからは貸馬車屋へ往つてそこで玉蜀黍を買つて召(め)し食(あが)るやうにね……」流石に農夫(ひやくしやう)の考へだけあつて一寸面白い...
薄田泣菫 「茶話」
...六波羅畑の玉蜀黍の黒い髯を涼風が渡るのも侘しい...
竹久夢二 「砂がき」
...余等は注文(ちゅうもん)してもぎ立ての玉蜀黍を炉(ろ)の火で焼いてもらう...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...馬の齒のやうな玉蜀黍である...
長塚節 「鉛筆日抄」
...彼等(かれら)は玉蜀黍(たうもろこし)の葉(は)がざわ/\と妙(めう)に心(こゝろ)を騷(さわ)がせて...
長塚節 「土」
...「家畜に食わす玉蜀黍(とうもろこし)の粉をくれたのだ」と言う人もあるが...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...玉蜀黍を離れて余の頭に映った...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...玉蜀黍かくばかり胸の痛むかな二十五の女は海を眺めて只呆然となり果てぬ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...それとともに五袋の米と三袋の玉蜀黍……つまり糧食の全部が筏の上から消え...
久生十蘭 「ノア」
...――たとへば八百屋の小僧が西洋人の落して行つたパイプを拾つて煙草の代りに玉蜀黍の毛をそれにつめて吸つてゐると云つたやうな話の心覺えのやうなものまでが見つけられたのだつた...
堀辰雄 「高原にて」
...玉蜀黍(きみ)の脱穀をしてるんだ...
宮沢賢治 「耕耘部の時計」
...霧のしっとりした草深い小道の両側にはサヤサヤとささやかな葉ずれの絶えずする玉蜀黍がズーッと一列に並んで...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...玉蜀黍畑があった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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