...誰か園の梅の花ぞも久方の清き月夜にこゝだ散り来るほとゝぎす来啼きどよもす橘の花散る庭を見む人や誰天の川霧たちわたり彦星のかぢの音聞ゆ夜の更け行けば今朝啼きて行きし雁金寒みかもこの野のあさぢ色づきにけるあが宿の秋萩のへに置く露のいちじろしくもあれこひめやも率直なる感情を高朗なる調子でうたう万葉の詩人をなつかしく思う...
高浜虚子 「丸の内」
...無遠慮に率直な感想を述べる...
太宰治 「お伽草紙」
...それは人間の率直な言葉で...
太宰治 「正義と微笑」
...男子は料理屋へ行つて率直な言ひ方をしてはいけない...
太宰治 「津軽」
...」その心から出た率直な叫び声に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...生きんがために愛したがり満腔(まんこう)の愛を消費したがる力強い率直な同情心...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし率直な感じやすい彼は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...市民的に尊大な威圧的な堂々たる率直な作法を持っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...もって来い」彼は素人油絵を青年らしい率直な誇をもって持って来た...
中井正一 「地方文化運動報告」
...このフィルムのもつ率直なる報告には嫉妬を感ぜざるをえない...
中井正一 「美学入門」
...この地に足をとどめた旅人であることに於ては自分と同じことだという感じが率直な米友の心に親しみを持たせました...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう少し教養のある、率直な人は、小説を読むと、実生活のひどい単調と冷酷無常な現実とから一時的に逃避できるから、一種の麻酔剤として、精神的刺戟として小説を読むのだと答へるであらう...
平林初之輔 「商品としての近代小説」
...実直で率直な風貌は魅力的だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...率直な男の性を提出している...
宮本百合子 「傷だらけの足」
...定て率直な人であつただらうと推する...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...なかなか率直な声は出ない...
吉川英治 「私本太平記」
...こんなふうに率直な親心を述べた書簡であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...武蔵が自分へ迫って求めた烈しいそして率直な欲望を...
吉川英治 「宮本武蔵」
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