...一人の女の生活が一瞬にすぎた考へまでが真面目な最も率直な筆で隅からすみまで描き出されてゐます...
伊藤野枝 「私信」
...徳川期の美女に託して描いた母への追慕の率直な表現であり...
上村松園 「作画について」
...人類最高の任務についていると信じているよ」フランケらしい率直な返答だった...
海野十三 「宇宙尖兵」
...彼らの率直な親切として...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...率直な行動には、悔いが無い...
太宰治 「新郎」
...そこで、さっき電話で聞いた女のことを改めて問い糺すと、お繁さんは、率直な調子で、「お園さんはもう半月ばかり前にひどい病気になりまして、それで引きました」「はあ、ひどい病気で……」私は、そういって、すぐ心の中ではあの繊細(かぼそ)い彼女の美しく病み疲れた容姿(すがた)を思い描きながら、「この土地に長くいると、そんなことになるだろうと思っていたのだ...
近松秋江 「狂乱」
...生きんがために愛したがり満腔(まんこう)の愛を消費したがる力強い率直な同情心...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...率直な熱心さで自分を守った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして率直な厚かましい眼付が...
豊島与志雄 「常識」
...」私はベシーの率直な答へに微笑(ほゝゑ)んだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼は自分の思いがけない率直な言葉によって...
堀辰雄 「聖家族」
...彼は自分の思ひがけない率直な言葉によつて...
堀辰雄 「聖家族」
...自分ではひどく不満足に思っているが、率直な、一切の修飾を却(しりぞ)けた秀麿の記述は、これまでの卒業論文には余り類がないと云うことであった...
森鴎外 「かのように」
...それは明白で・率直な・(c)はなはだ重大な・(b)使命であって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...極(ごく)率直な...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...または、あんな簡単、率直な定型が、どうしてあんなに色々に美しく感ぜられるのであろう……という事は、能楽愛好者の皆不思議がるところであると同時に、説明に苦しむところである...
夢野久作 「能とは何か」
...その率直な美点からむしろ起ったものといえる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...実に率直な律動のうちに渾然(こんぜん)として響き合うのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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