...君は頭部が獏で、胴から下が鸚鵡(おうむ)の動物が、銀座通りをのこのこ歩いている姿を想像できるかい」友人は真剣な顔付で私に詰めよった...
海野十三 「獏鸚」
...獏の方は身長二メートル半だし...
海野十三 「獏鸚」
...もし接合できたとしても何の目的で獏と鸚鵡とを接合させるのだろう」「目的だって? それは密書事件の状況から推して考え出せないこともなかろうと思うんだが……」「そうだ」と帆村はいきなり椅子から立って部屋をぶらぶら歩きだした...
海野十三 「獏鸚」
...君は獏とか鸚鵡についても研究してみたかい」「それはやってみたよ」と彼は不服そうに云った...
海野十三 「獏鸚」
...獏といえば夢を喰うことと鸚鵡といえば人語を真似ることだけ知っていれば...
海野十三 「獏鸚」
...彼女に搦(から)まる「獏鸚」の謎は...
海野十三 「獏鸚」
...――暗号といえば「獏鸚」のことなど...
海野十三 「獏鸚」
...あれならもう判っている……」「ナニ『獏鸚』が判ったって...
海野十三 「獏鸚」
...「まず『獏』は夢を喰いさ...
海野十三 「獏鸚」
...実にそいつが『獏鸚』なのさ...
海野十三 「獏鸚」
...『獏鸚』というのはトーキーに暗号を喰わせることだったのか」「あとからトーキーのフィルムを盗んだのももちろん玲子さ...
海野十三 「獏鸚」
...僕の手に入ろうとした密書の方には(獏鸚したから安心しろ)というような報告が認められてあったのだろう...
海野十三 「獏鸚」
...私は獏になつたのだ...
北條民雄 「一九三六年回顧」
...奇趾類とはその足趾の内、人間の中指に相応するやつが左右整等で、その他のどの趾よりも大きいので、ここにチタノテレス(全滅)、馬類、獏(ばく)類、犀(さい)類の四部あり...
南方熊楠 「十二支考」
...カリブ人ら何卒獏がどこで果実を拾うかを知らんと勉むれど知り得ず...
南方熊楠 「十二支考」
...さては誰か予を尋ぬる者ありと悟って獏は跡を匿(かく)した...
南方熊楠 「十二支考」
...一向埒(らち)明かずとあってカリブ人、また鼠を遣わすとこやつ小賢(こざか)しく立ち廻ってたちまち獏の居所を見付けたが、獏もさる者、鼠に向いわれと同類の汝がわが食物を得る場を垢(あか)の他人の人間に告げたって、人間ほど薄情な者なければ、トドの詰まりは狡兎(こうと)死して良狗(りょうく)煮らるだ...
南方熊楠 「十二支考」
...獏の所在は漠然分りませぬと人を誤魔化し置いて毎日ここへ来てシコ玉食う方が宜(よろ)しいと言うと...
南方熊楠 「十二支考」
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