...そして狼狽したというわけではなかった...
海野十三 「地獄の使者」
...さては村ちかくきつるならんと我家(わがや)をきづかひ狼(おほかみ)はそのまゝにしてはせかへりしに...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...けれども是等の問題が其狼狽して居る頭に生じては消え生じては消えしつゝある時に「三の望はある」といふ醫者の言葉を耳にしてもう其等の問題を提出する遑もなく絶望中の此一條の光明に縋つてどうかして今一度恢復させて遣り度いといふ希望に全心を支配された...
高濱虚子 「續俳諧師」
...入道さまの見苦しい狼狽振りと較べて...
太宰治 「右大臣実朝」
...彼をして狼狽(ろうばい)させてやるのも一興である...
太宰治 「母」
...その狼も飛脚の刀を浴びて下に落ちた...
田中貢太郎 「鍛冶の母」
...のべつ幕なしに驚いたり急いだり狼狽(あわ)てたりするのが...
谷譲次 「踊る地平線」
...狼狽(うろた)へてゐるところでない...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...そして間もなく狼狽(ろうばい)の情が和らぐと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...まして婦人の驚愕(きょうがく)と狼狽(ろうばい)は見るも気の毒な有様...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼の狼狽(ろうばい)は定めし見苦しかったものであろう...
新渡戸稲造 「自警録」
...町内の狼連(おほかみれん)も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...凩の音が狼の吠えるやうぢやないか...
牧野信一 「武者窓日記」
...この剣があります」「牝狼や...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「剣のうた」
...羊を狼のなかに入るるが如し...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...目も当てられない狼藉(ろうぜき)でございます」「おウ……」と呻(うめ)くがように弦之丞...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...藤次は狼狽に顔をどす赤くして...
吉川英治 「宮本武蔵」
...狼から離れたように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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