...『何故(なぜ)那(あんな)に狼狽へたらう?』恁う自分で自分に問うて見た...
石川啄木 「鳥影」
...むらむらと立つ狼煙(のろし)を合図に...
泉鏡花 「婦系図」
...狼狽(ろうばい)しないではいられない...
海野十三 「火薬船」
...たちまち飢(う)えたる虎狼(ころう)のごとくに飛びかかって...
海野十三 「振動魔」
...内心ひどく狼狽したのである...
太宰治 「富嶽百景」
...「寺家之歎何事過レ之候哉人守二忍辱之地一無二弓箭一之間十津川之住人知二如レ此子細一動及二狼藉一候者也」とも云っている...
谷崎潤一郎 「覚海上人天狗になる事」
...博士の邸を本郷の高台に訪ねて行った時には、怪しい姿を玄関にいる大きな犬に噛みつくように吠えられて、かれは狼狽した...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...狼火(のろし)を上げて合図をするに都合のよかりそうな山だ」「左様でございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...徒(いたずら)に狼狽(うろた)えて病人の為めに却て災を加うること多し...
福沢諭吉 「新女大学」
...狼も不精をしてまず手近...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...何の狼の五匹や十匹――珠数(じゆず)つなぎのヴオレイを喰はして...
牧野信一 「武者窓日記」
...わが邦で狼を大神と呼び今も熊野でこれを獣の王としまた山の神と称うるごとし...
南方熊楠 「十二支考」
...いきなり狼に出會つたのよ...
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...――だが狼狽してはならない...
山本周五郎 「菊屋敷」
...狼の歯みたいに銀色に光りながらグラグラグラと廻転しているのですから落っこったら最後...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...――で、狼の火と書いて、のろしと読ませるのもそのわけですが、今ではあて字にもなりません...
吉川英治 「銀河まつり」
...いかに狼狽するかと思いのほか...
吉川英治 「三国志」
...それにひきかえて光秀は少なからず狼狽(ろうばい)の容子(ようす)であった...
吉川英治 「新書太閤記」
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