...狷介なんかも兄貴に絶交して遣らうなんて言つてゐた...
石川啄木 「鳥影」
...狷介なんかも兄貴に絶交して遣らうなんて云つてゐた...
石川啄木 「鳥影」
...二葉亭は極めて狷介な負け嫌いであると同時にまた極めて謙遜(けんそん)であって...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...本来は至極内気な、義理がたい、臆病といつてよいほどに用心深く、気の小さい、併しながら頗る見識高い、折々は人に憎まれるほど高慢のほのめく、親分や兄分になることを好く、狷介な、選り好みの何に附けてもむづかしい、さりとて面と向つては、至つて口数の寡い、優しい、おとなしい、ひよろ/\と痩せた、色の白い、目元に愛嬌のある、白い歯をチラと出して、冷かに笑ふ口元に忘れられぬ特質のある、先づは上品な下町式の若旦那であつた...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...其の頭腦餘りに窮屈にして狷介なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其の頭脳余りに窮屈にして狷介なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...狷介なのが玉に傷...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...今しも一種狷介な足調(どり)で上って行く黒ずくめの陰気な人物は...
久生十蘭 「魔都」
...何しろ御承知のような狷介な男ですから...
久生十蘭 「魔都」
...元来狷介な私のことでありますから...
久生十蘭 「魔都」
...まもなく依然たる狷介な面持にかえると...
久生十蘭 「魔都」
...亡くなった内儀さんへの一種の狷介な心からである...
矢田津世子 「神楽坂」
...父母と弟と一緒に江戸詰めになって去った……気質が狷介なので...
山本周五郎 「夜明けの辻」
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