...三男の狷介(けんすけ)と云ふのが...
石川啄木 「鳥影」
...静子と縁談の持上つてゐる松原家の三男の狷介(けんすけ)とは小い時からの親友(なかよし)で...
石川啄木 「鳥影」
...性来の狷介と懶惰とズボラとが文壇にも累をなし...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...兄の性行に狷介味(けんかいみ)があまりに多かった...
岡倉由三郎 「茶の本」
...孤高狷介のこの四十歳の天才は...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...本来は至極内気な、義理がたい、臆病といつてよいほどに用心深く、気の小さい、併しながら頗る見識高い、折々は人に憎まれるほど高慢のほのめく、親分や兄分になることを好く、狷介な、選り好みの何に附けてもむづかしい、さりとて面と向つては、至つて口数の寡い、優しい、おとなしい、ひよろ/\と痩せた、色の白い、目元に愛嬌のある、白い歯をチラと出して、冷かに笑ふ口元に忘れられぬ特質のある、先づは上品な下町式の若旦那であつた...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...みだりに胸襟を開かず、狷介狐高、体面を保ち、終始矜持をもち続けた生活を、十一谷君は守り通したのだった...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...向さんは当時狷介剛直な学者として他の教員からも生徒からも...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...余ヤ性狷介固陋世ニ処スルノ道ヲ知ラザルコト匹婦ヨリモ甚シ...
永井荷風 「申訳」
...狷介不羈(けんかいふき)...
長谷川時雨 「竹本綾之助」
...削(そ)ぎ立てたようなトゲトゲした顔を狷介(けんかい)にふり立て...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...狷介不覊(けんかいふき)の華族論客として...
久生十蘭 「湖畔」
...慮外な仕儀で、前後のさまもとりとめないほどだが、狷介不覊の、剛直のと世間から囃し立てられている俺にとって、この不都合は災厄以上のものであった...
久生十蘭 「湖畔」
...今しも一種狷介な足調(どり)で上って行く黒ずくめの陰気な人物は...
久生十蘭 「魔都」
...――あの人は本当は狷介(けんかい)なのかもしれない...
山本周五郎 「いさましい話」
...世にいふ一種の狷介不覊なるものが...
吉川英治 「折々の記」
...儀は狷介(けんかい)」とは...
吉川英治 「三国志」
...あんな口達者で狷介(けんかい)な人間は見たこともあるまいから...
吉川英治 「平の将門」
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