...靜子と縁談の持上つてゐる松原家の三男の狷介(けんすけ)とは小さい時からの親友で...
石川啄木 「鳥影」
...文人特有の狷介(けんかい)と懶惰(らんだ)とズボラが累をなして同郷の先輩に近づかず...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...末路寂寞(せきばく)として僅(わずか)に廓清(かくせい)会長として最後の幕を閉じたのは啻(ただ)に清廉や狷介(けんかい)が累(わざわ)いしたばかりでもなかったろう...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...陸は狷介気を吐く野客であった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...二葉亭は本来狷介(けんかい)不覊なる性質として迎合屈従を一要件とする俗吏を甘んじていられないのが当然であって...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...兄の性行に狷介味(けんかいみ)があまりに多かった...
岡倉由三郎 「茶の本」
...狷介さが殺氣さへおびてみえるのである...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...死んだ伯父は「狷介(けんかい)ニシテ善(よ)ク罵リ...
中島敦 「斗南先生」
...酒と狷介(けんかい)に煩(わずら)わされて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狷介不羈(けんかいふき)...
長谷川時雨 「竹本綾之助」
...狷介不覊(けんかいふき)の華族論客として...
久生十蘭 「湖畔」
...慮外な仕儀で、前後のさまもとりとめないほどだが、狷介不覊の、剛直のと世間から囃し立てられている俺にとって、この不都合は災厄以上のものであった...
久生十蘭 「湖畔」
...まもなく依然たる狷介な面持にかえると...
久生十蘭 「魔都」
...亡くなった内儀さんへの一種の狷介な心からである...
矢田津世子 「神楽坂」
...世にいふ一種の狷介不覊なるものが...
吉川英治 「折々の記」
...生れつき狷介(けんかい)で舌鋒人を刺し...
吉川英治 「三国志」
...不覊狷介(ふきけんかい)...
吉川英治 「新書太閤記」
...慨世(がいせい)の気があり過ぎてかえって世に容(い)れられぬ狷介(けんかい)の男どもだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索