...九 椿岳の人物――狷介不羈なる半面椿岳の出身した川越の内田家には如何(いか)なる天才の血が流れていたかは知らぬが...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...性来の狷介と懶惰とズボラとが文壇にも累をなし...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...持って生れた狷介と懶惰とズボラとは爰(ここ)でも永続(ながつづ)きがしないで...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...末路寂寞(せきばく)として僅(わずか)に廓清(かくせい)会長として最後の幕を閉じたのは啻(ただ)に清廉や狷介(けんかい)が累(わざわ)いしたばかりでもなかったろう...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...一面には極めて狷介で人に下るを好まないと同時に...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...孤高狷介のこの四十歳の天才は...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...故人のそう云う狷介(けんかい)な性質が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...狷介さが殺氣さへおびてみえるのである...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...其の頭腦餘りに窮屈にして狷介なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...隴(ろう)西の李徴は博學才穎(さいえい)、天寶の末年、若くして名を虎榜(こぼう)に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃む所頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかつた...
中島敦 「山月記」
...狷介なのが玉に傷...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...削(そ)ぎ立てたようなトゲトゲした顔を狷介(けんかい)にふり立て...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...俺は父によく似た狷介(けんかい)な容貌を持っている...
久生十蘭 「湖畔」
...慮外な仕儀で、前後のさまもとりとめないほどだが、狷介不覊の、剛直のと世間から囃し立てられている俺にとって、この不都合は災厄以上のものであった...
久生十蘭 「湖畔」
...今しも一種狷介な足調(どり)で上って行く黒ずくめの陰気な人物は...
久生十蘭 「魔都」
...幾らか狷介(けんかい)でかたくなな人間になっていった...
山本周五郎 「はたし状」
...師のそういう狷介(けんかい)なところには...
吉川英治 「剣の四君子」
...生れつき狷介(けんかい)で舌鋒人を刺し...
吉川英治 「三国志」
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