...彼女は仕事の独擅場となっていた...
...独擅場にいると自信をつけることができる...
...彼は自分の意見を言うことができる独擅場が欲しいと言っていた...
...会議室は彼の独擅場だ...
...独擅場を守るためには努力が必要だ...
...「まどき」が盛んに『読売』の投書欄を賑わして殆んど独擅場(どくせんじょう)の観があった頃...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...ぼくは今夜は正(まさ)に自分の独擅場(どくせんじょう)だなと得意な気がして...
田中英光 「オリンポスの果実」
...伊藤侯は憲法立案者の名誉を独擅し得可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...けだしピグミーの独擅(どくせん)であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...さすがの白雲をして、せっかくの朗吟を中止沈黙のやむなきに至らしめた無作法者の、清澄の茂坊であること申すまでもなく、白雲をして、中止沈黙のやむなきに至らしめたことをいいことにして、茂太郎がいよいよ独擅(どくせん)を発揮し、独擅といっても、元はといえば、内容節調みな白雲先生の直伝(じきでん)によるところのものに相違ないが――海上の明月、潮(うしほ)と共に生ずゑんゑんとして波に随ふ千万里何(いづ)れの処か春江月明なからん江流ゑんてんとして芳(はう)てんをめぐる月は花林を照して皆霰(あられ)に似たり空裏の流霜飛ぶことを覚えず汀上(ていじやう)の白沙見れども見えず江天一色繊塵なし皓々(かうかう)たり空中孤月輪江畔何人(なんぴと)か初めて月を見し江月いづれの年か初めて人を照せし人生代々窮まりやむことなく江月年々望み相似たり知らず江月何人(なんぴと)をか照すただ見る長江の流水を送ることを白雲一片去つて悠々青楓浦上愁ひに勝(た)へず誰(た)が家ぞ今夜扁舟(へんしう)の子は何れの処ぞ相思ふ明月の楼憐れむべし楼上月(つき)徘徊(はいくわい)すまさに離人の粧鏡台を照すべし玉戸簾中まけども去らず擣衣砧上(たういちんじやう)払へどもまた来(きた)る此時(このとき)相望めども相聞えず願はくば月華を逐(お)うて流れて君を照さん鴻雁(こうがん)長く飛んで光わたらず魚竜潜(ひそ)み躍(をど)りて水文(あや)をなす昨夜かんたん落花を夢む憐れむべし春半(しゆんぱん)家に還らず江水春を流して去つて尽きんと欲す江潭落月(かうたんらくげつ)また西に斜めなり斜月沈々として海霧(かいむ)に蔵(かく)る碣石瀟湘(けつせきせうしやう)限り無きの路知らず月に乗じて幾人か帰る落月情を揺(うご)かして江樹に満つこれだけの詩を一句も余さず、清澄の茂太郎が、吟じ来り吟じ尽してしまったものですから、今度は、天地が動き出したほどに玉蕉女史が驚かされてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...何といってもここは故人圓右の独擅場で...
正岡容 「我が圓朝研究」
...丈草の独擅(どくせん)なり...
正岡子規 「俳諧大要」
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