...そのために彼は私立探偵社に命じ、実業界から引退した資産家で、独り者で、近い親戚もなく心臓病で死期の定まっているような人物を探させる...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...季節のうつりかわりに敏感なのは、植物では草、動物では虫、人間では独り者、旅人、貧乏人である(この点も、私は草や虫みたいな存在だ!)...
種田山頭火 「草と虫とそして」
...日本全国を股にかけて歩いてる独り者だった...
豊島与志雄 「逢魔の刻」
...独り者の年増婦人の室によくあるように...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...(彼は独り者なのである...
中島敦 「南島譚」
...独り者同士の杯(さかずき)でも挙げようか」「よかろう」二人は何時(いつ)の間にやら手を組み合せて居りました...
野村胡堂 「女記者の役割」
...全くの独り者です...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...こいつは面白いでしょう」独り者のガラッ八は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...独り者の主人が昼でも時々は籠(こも)っている八畳の間には...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いつまでも独り者の八五郎の方が立派さ」「その気で付き合って下さい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...五十二三の世をも人をも諦(あきら)めたような独り者で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ふとつちよの女が出迎へる(ステパン・イワーノッチが独り者だといふことを御承知おき願ふのも妨げにはなるまい)と...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...独り者で身寄りもなさそうなのに...
山本周五郎 「季節のない街」
...身寄りもない独り者だし...
山本周五郎 「季節のない街」
...独り者の彼に対して...
吉川英治 「新書太閤記」
...タガの外(はず)れた桶では水も汲まれない」「何から何まで、独り者って、しようのない者だね」おかみさんは、壊れた桶をそっと井戸端まで持って行った...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...独り者の女の家(うち)へ潜(もぐ)り込んで...
吉川英治 「松のや露八」
...子供たちの指南は、お午(ひる)前にすんでしまうし、午からは昼寝だし、晩になると、蝙蝠(こうもり)みたいに、出かけて行く……」亭主は、笑って、「独り者だ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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