...そのために彼は私立探偵社に命じ、実業界から引退した資産家で、独り者で、近い親戚もなく心臓病で死期の定まっているような人物を探させる...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...独り者の昼寝、今日はそのよさとわるさとを味解した...
種田山頭火 「行乞記」
...いやはや独り者は忙しいことだ...
種田山頭火 「其中日記」
...夕となればまた一杯やりたい、独り者の気楽さ、貧乏のはかなさ...
種田山頭火 「其中日記」
...バイナーにいる独り者の叔母の所へ帰って来たんです...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...俺は全く独り者だった...
豊島与志雄 「自由人」
...「なんて不実な人でしょう、いったい、独り者なんて、みんな不実に出来てるのよ、起きないと承知しないよ」この分では起しに来るかも知れないと、兵馬はヒヤリとしたが、これは女の虚勢で、口さきだけのおどしに過ぎないものだから安心する...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ独り者の秋月九十郎と妻木右太之進が...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...――主人の総七は半年この方独り者で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「馬道の家には誰が居るんだい」「独り者で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今じゃ依(よ)りどころのない女ですから、どうかしたら、独り者の金蔵と、何か相談があったのかも知れませんね」「そのお茂の隠れ家は?」「山谷(さんや)の駄菓子屋で、後家のお妻の家と訊けば判りますよ」「それから、他に金蔵を怨(うら)んでる者はないだろうか」平次は話題を転じました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...独り者かい? そんな野暮人でもなさそうな顔しちょるが...
火野葦平 「花と龍」
...ふとつちよの女が出迎へる(ステパン・イワーノッチが独り者だといふことを御承知おき願ふのも妨げにはなるまい)と...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...今年三十になるが未だ独り者...
眞山青果 「茗荷畠」
...枯れた木平さんは独り者で...
山本周五郎 「季節のない街」
...身寄りもない独り者だし...
山本周五郎 「季節のない街」
...――と途中で聞いて戴宗はたずね当てて来たが、その家ときたら、覗(のぞ)いて見るまでもない貧乏世帯で、聖手(せいしゅ)書生の蕭譲は、独り者か、泥窯(へっつい)の下を火吹き竹で吹いていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...タガの外(はず)れた桶では水も汲まれない」「何から何まで、独り者って、しようのない者だね」おかみさんは、壊れた桶をそっと井戸端まで持って行った...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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