...成るほど狡獪(こうかい)なる霊界人が...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...狡獪(こうかい)にもこれを享楽のためとは言わずして...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...其政治家の狡獪は...
竹越三叉 「深憂大患」
...『いづれの神ぞ狡獪の君もろともにたくらむは? 540われを疎んじ外にして常に祕密の計(はからひ)を君は好みて行へり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...「狡獪極まる悪魔め! 狡獪者の悪魔め!」大佐は結局こうした言葉の外は何も云えなかった...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...それでも狡獪(かうくわい)な雀(すゞめ)の爲(ため)に籾(もみ)のまだ堅(かた)まらないで甘(あま)い液汁(しる)の如(ごと)き状態(じやうたい)をなして居(ゐ)る内(うち)から小(ちひ)さな嘴(くちばし)で噛(か)んで夥(したゝ)かに籾殼(もみがら)が滾(こぼ)された...
長塚節 「土」
...おまへのやさしい心根(こころね)!古い木片(きぎれ)で乾杯をする狡獪な農夫は此処より立去れ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...狐臭(きつねくさ)い狡獪(こうかい)な所も少しはあった...
夏目漱石 「明暗」
...また別の家では、その話が幾分ちがっていて、チチコフには細君などは全然なく、ただ狡獪で、金的を狙ってばかりいる実際家として、彼は、謂ゆる将を射んと欲せば馬を射よの筆法で、まず母親をくどき落して、ついに人目をしのぶ仲となり、それから徐ろに令嬢を妻に申し受けたいと切りだした、ところがそれを聞くと母親はびっくりして、宗教にそむく不倫の罪を犯すことを恐れ、且つ良心の苛責を感じて、きっぱりと相手の申出を断わってしまった、そこでチチコフは娘を唆かして駈落をしようと肚をきめたというのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...多分かうした彼女の狡獪邪智に長けた点がわざはひして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...見やう見真似で狡獪になり……*聯合教(ウニャ)を奉じて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...漸(ようや)く狡獪(こうかい)陰険の風を助長するのみ...
福田英子 「妾の半生涯」
...玄機にはそれが甚しく狡獪(こうかい)なように感ぜられた...
森鴎外 「魚玄機」
...而(しか)も是れ彼が正直にして多感的なるを掩(おほ)はんとする狡獪(かうくわい)手段なるのみ...
山路愛山 「明治文学史」
...燕作(えんさく)はソロソロ狡獪(こうかい)な本性(ほんしょう)をあらわして...
吉川英治 「神州天馬侠」
...第一かと考えます」「そううまくこっちの註文(ちゅうもん)にハマるかな」「いくら狡獪(こうかい)な家康(いえやす)でも...
吉川英治 「神州天馬侠」
...自己の目的をとげようという四郎の狡獪(こうかい)な陰険なゆすりの手段は...
吉川英治 「親鸞」
...狡獪(こうかい)な頼朝は口を拭いて...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索