...死んだコハク博士もそんなことを計画しなかった」「博士コハクは生れつき狡いから...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...さういふ狡い輩(てあひ)のなかに...
薄田泣菫 「茶話」
...その頃には狡い呉服屋の封銀(ふうぎん)といふ物は無かつたらしい...
薄田泣菫 「茶話」
...砂馬を狡いと罵ったこの矢萩のほうがずっと狡そうで...
高見順 「いやな感じ」
...隨分狡いことを考へたものだ...
田畑修一郎 「盆踊り」
...さうかと云つて(大抵の邪惡な顏には何處か狡い賢さがあるものだが)惡賢いといふ柄でもない...
中島敦 「環礁」
...ところが老いぼれた船頭の狡いのが乗って居って...
火野葦平 「糞尿譚」
...連銭栗毛はとても狡いやつで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...何の眠つてなぞゐるものか! いふまでもないこと――あの狡い悪党つたら――神よ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...五十一歳で年寄がるのは少し狡いね...
牧野信一 「熱海へ」
...狡い笑ひを浮べた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...「狡いわね、お終ひになつたところに帰つて来て……」賢太郎は、人の好い笑ひを浮べて、女のやうに彼を睨めた...
牧野信一 「鏡地獄」
...狡いとか白々しいとかといふ風な感じを与へて二重に苛立たせた結果に赴いたと想像された...
牧野信一 「喧嘩咄」
...岡村は先刻から独りで椅子になんて凭り掛つてゐて全く狡いや!」「廻す位なら...
牧野信一 「眠い一日」
...こっちの方へ却って早く入るんだから妙でしょう」狡い...
宮本百合子 「刻々」
...婦人大衆の文化を昔ながらの奴隷的な低さで止めておこうと狡い計略をめぐらしている...
宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
...そういう狡い自分への云いなだめの口実をつかまえた次第です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しかも狡いことに仲間の間に喧嘩をおこさせて輓革をもつれさせることはもつと大きな喜びであつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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