...さういふ狡い輩(てあひ)のなかに...
薄田泣菫 「茶話」
...狡いものは狡いやうに...
種田山頭火 「行乞記」
...支那人が狡いですから...
田山録弥 「一少女」
...狡い眼眸になるのであった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...奴はもうあのことを修道院の中に云ひふらしてゐる!」なんて狡い牝狐だらう! 牡兎は彼女に勝つたわけだ...
中原中也 「山間秘話」
...他の図も無理遣りにその型の中に押し込めてしまうという狡い常套手段もちょっと用いられそうもない...
中谷宇吉郎 「鼠の湯治」
...ところが老いぼれた船頭の狡いのが乗って居って...
火野葦平 「糞尿譚」
...狡いことこの上もない馬で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...狡い笑ひを浮べた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...「狡いや/\自分ばかりが打つたもので……それぢや勝逃げと同じだ...
牧野信一 「周一と空気銃とハーモニカ」
...がこの時こそは少しも二人を欺さうなどゝいふ狡い考へは私の考へに毛頭ありませんでしたから...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...岡村は先刻から独りで椅子になんて凭り掛つてゐて全く狡いや!」「廻す位なら...
牧野信一 「眠い一日」
...さつきのやうにテレることがなくなるかも知れない――滝にはそんな狡い考へもあつたが...
牧野信一 「舞踏会余話」
...あなたは大変に大変に狡いわね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私ったら狡いわねえ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...敦子 あら、春子さん、どこに隠してもっていたの!春子 ははは、狡いでしょう私...
三好十郎 「樹氷」
...かげでは何かしら狡い手を考えているというやつであつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...――おほむねつまらぬことでありますが――結局は狡い方へ落着くものでございます...
吉川英治 「折々の記」
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