...それから若侍に化けた狐は(父は未だにこの若侍を狐だったと信じている...
芥川龍之介 「本所両国」
...そのころここに悪(あ)しき狐が住んでいて...
井上円了 「おばけの正体」
...一匹の狐物陰より現はれて...
巌谷小波 「こがね丸」
...動物園にゐる西伯利(シベリア)産の狐のやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...牝(めす)の狐の作った歌である...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...裏山の狐が久しぶりに鳴くのを聞いた...
種田山頭火 「行乞記」
...北極の狐は一般に人間をまったく知らず...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...狐疑逡巡しているだけだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...さうして居(ゐ)る處(ところ)へ村(むら)の近所(きんじよ)のものがひよつこり尋(たづ)ねて來(き)たので彼(かれ)は狐(きつね)にでも魅(つま)まれたやうに只(たゞ)驚(おどろ)いた...
長塚節 「土」
...「森の子狐もお母さん狐のお唄をきいて...
新美南吉 「手袋を買いに」
...「昨夜縁結びを妻恋様の狐格子に結えたのは誰だい」平次はいつもにない冷たい調子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分」「狐の嫁入?――娘のおチュウを番頭の忠吉に嫁合(めあわ)せるというお伽話(とぎばなし)の筋なら知っている」「そんな馬鹿馬鹿しい話じゃありませんよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わたしは山の中から來た六兵衞という狐ですが...
林芙美子 「狐物語」
...もう何物によっても満たされえぬどんよくとなって現われている厭気(いやき)――そこから来る狐疑(こぎ)であった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...」赤狐はさっさと中へ入りました...
宮沢賢治 「黒ぶだう」
...先ずバター大匙一杯を鍋で溶かしてメリケン粉を大匙一杯パラパラと入れて手速く攪き廻しながら木の杓子(しゃくし)でよくいためてメリケン粉が狐色に変った時分に牛乳五勺(しゃく)とスープ五勺位入れるのですけれどもスープがなければ水と牛乳と等分位でもようございます...
村井弦斎 「食道楽」
...女狐のおそでが駆けあがって来...
山本周五郎 「へちまの木」
...これもまた狐に憑(つま)まれたような恰好なのだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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