...二人(ふたり)の妹たちはただはらはらして姉の狂暴な振る舞いを見守るほかはなかった...
有島武郎 「或る女」
...狂暴な音楽と喊声(かんせい)につれて...
江戸川乱歩 「踊る一寸法師」
...それに涙もまじった狂暴なものが渦巻いていたからだ...
高見順 「いやな感じ」
...第二にはこの象が狂気と認められるに至った狂暴な行為に関する正確な記録の知識が必要である...
寺田寅彦 「解かれた象」
...狂暴なわめき声がしたと思うと...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...狂暴な手で引き絞られた弓にも彼は似ていたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...二人は「感受性を狂暴ならしむる安逸の倦怠(けんたい)」を知った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...狂暴な孤独はかくて彼の上をのそりのそりと歩き廻つた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...狂暴な犬のやうに...
新美南吉 「登つていつた少年」
...さらでだに狂暴なヘロデはますます狂暴になった...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...世にも狂暴なことを考えながら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...狂暴な南風の日が多かつた...
原民喜 「氷花」
...さながら狂暴な荒海が広い海浜から暴風(あらし)に乗つて押し寄せ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...彼のばかばかしいほど狂暴な振舞いに少しでも気づいた者は...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...狂暴な情欲は消えうせて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...モオタアの音らしい狂暴な爆音が聞え出す...
堀辰雄 「死の素描」
...いずれ劣らぬ狂暴な気持である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...狂暴な現在の戦争を世界の悪の最後とするものは必定...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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