...わが狂態ながら、彼女に惹かれてしまった...
...狂態も是(ここ)に至りて極まれり...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...先輩や同志諸君に對して申譯がないと感じつつもつい狂態が續くのでした...
石川三四郎 「浪」
...わたしの狂態を聞いて『それは些か犬王だね』と言つたさうです...
石川三四郎 「浪」
...先刻の私の間抜けとも阿呆(あほ)らしいともなんとも言いようのない狂態に対する羞恥(しゅうち)と悔恨の念で消えもいりたい思いをした...
太宰治 「断崖の錯覚」
...道化た面をかぶった異風な小こじきの狂態に笑いこける...
寺田寅彦 「自由画稿」
...また酔えば威勢のよい狂態を演じた...
外村繁 「澪標」
...下には僅か五六人の男女が口をあけて彼女の狂態を見上げているだけだ...
中島敦 「南島譚」
...横里鯨之進と誰憚(はばか)らぬ狂態を尽し...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...狂態は日に日に募りました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...平次の狂態は恐ろしい勢で進展し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...六人の男女が狂態の限りを尽すのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...七人の狂態を指した手は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まるで夢遊病者のような変な狂態を演じようとしている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...こうまでの狂態はさすがに今まで見たことがなかったので...
久生十蘭 「キャラコさん」
...カルチエ・ラテン辺の小カフェエでも特に美術生の巣であるだけ相当の狂態が見られたものであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「黄金(こがね)のためには、どんな友だちに、どんな煮湯(にえゆ)を呑まそうと平気な広海屋――黄金の力さえあれば、人間、買うことは、何でも出来ると、高を括(くく)っている広海屋――へん、どれほど、黄金を積んだとて、可愛い子はかえらぬぞ! この長崎屋、ちゃんと、奪衣婆(だつえば)の手に渡してしまったのじゃ! ふ、ふ、ふ、あの子が生れたときには、有頂天によろこんで、これで、広海屋万代だなぞと、大盤ぶるまいをしおッたな! あれからたったまる一年、へ、へ、へ、もうそなたに子なし、もとの杢阿弥(もくあみ)――思い知ったか、この長崎屋、仇をうければ、仇をかえさずには置かぬ男じゃぞ!」広海屋夫婦の、狂態が、つのればつのるほど、いよいよ面白さ、うれしさ、小気味よさに堪えかねて来る長崎屋、とうとう、いつか築山の蔭から、すッかりすがたをあらわしてしまったのは愚か、血ぬられた短刀を振りまわしながら、だんだんに近づいてゆく...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...一本気な父親に狂態を演じさせる力を憎悪した...
「海流」
...ところが、この狂態を、今度はわしがやりそうになって来た...
吉川英治 「茶漬三略」
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