...洋畫に狂奔する青年の間には隔絶した距離が出來て居る...
會津八一 「趣味の修養」
...元のやうに無二無三に狂奔するのである...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...狂奔する感情を制止する落付きをどうしても見出すことは出来なかつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...大正一二・三狂奔する牛ああ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...フアンといふよりも慾張連中が新国道を自動車で狂奔する...
種田山頭火 「其中日記」
...市会議員の選挙に狂奔するこそ有意義である...
辻潤 「錯覚自我説」
...舟傾く時海また傾いて深黒なる奔潮天と地との間に向って狂奔するかと思わるゝ壮観は筆にも言語にも尽すべきにあらず...
寺田寅彦 「東上記」
...競馬馬だって狂奔することがある...
豊島与志雄 「自由人」
...象は狂奔する...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...禁酒禁煙の運動に良家の児女までが狂奔するような時代にあって毎朝煙草盆(たばこぼん)の灰吹(はいふき)の清きを欲し煎茶(せんちゃ)の渋味と酒の燗(かん)の程(ほど)よきを思うが如きは愚(ぐ)の至りであろう...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...級長選挙の事に狂奔することを善事となしているというではないか...
永井荷風 「巷の声」
...来歴がある茂林寺のお狸様のために人間が狂奔するのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...汝は電線を渡りてその愛人の陰部に沒入に及ばんとし、反撥され、而して狂奔する...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...ドニェープルは何ら狂奔することなく...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...塗料のあんばいだつて――一途に心が狂奔するばかりで...
牧野信一 「鱗雲」
...狂奔する兵馬以外には...
吉川英治 「私本太平記」
...おのれのみが志を遂げんために利を逐うて狂奔する虚業家...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
...私利私楽を追うて狂奔するとは! しかしこれらの徒に対して道を宣伝しようにも...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
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