...こんな病人が狂うのを見ると...
石川欣一 「比島投降記」
...風雨荒れ狂う暗闇の南シナ海をついて...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...その中央で踊り狂う彼の姿は...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...「と云う意味は」と小さい坊さんの答える声は嵐の咆(ほ)え狂う中にもちょっと大きくなったかと思われた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...その爺は不毛の荒地をたけり狂う風の音にとかく消圧(けお)されがちな声で...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...夜中に限って時計が狂うわけもないし...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...後になり先になり二羽の蝶が狂うていることです...
中里介山 「大菩薩峠」
...妄(みだ)りに踊り狂うとき...
夏目漱石 「虞美人草」
...ことに今日の様に調子の狂う時は...
夏目漱石 「それから」
...めちゃめちゃに咲き狂うのに...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...息子のフリイドリッヒの運命は遂に荒れ狂う...
堀辰雄 「晩夏」
...落ちたら出る事ならぬ穽(おとしあな)や木葉に黐(もち)塗りて虎に粘(ねばりつ)き狂うてついに眼が見えぬに至らしむる設計(しかけ)等あるが...
南方熊楠 「十二支考」
...飛馬狂うてベを振り落し自分のみ登天す...
南方熊楠 「十二支考」
...日が経ち過ぎると手筈が狂うということだった...
山本周五郎 「めおと蝶」
...狂うやも知れません」「そうだの...
吉川英治 「大岡越前」
...「女は二人連れと申すが、博多の者か、よそ者かの」「ついぞ見かけたことのないもので、ひとりは四十がらみの媼(おうな)、気の狂うた方は、まだ二十歳にもみたぬ嫋女(たおやめ)でございますが」「何で発狂したのか」「わかりません...
吉川英治 「私本太平記」
...体の中で狂う性の翼(つばさ)に気が狂いそうだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...明日の運命の墓誌銘をつくるために妾は女だてらに気が狂うほど急がしいのです...
吉行エイスケ 「地図に出てくる男女」
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