...それが怒り狂うブルドッグだとしても...
ギィ・ドゥ・モオパッサン Guy de Maupassant 秋田滋訳 「狂人日記」
...すべてこうした懸命な努力は、降りしきる雪と、荒れ狂う水と、海面をこすって飛ぶ雲とで表わされる自然の憤怒(ふんぬ)の中で行なわれたのだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...気の狂う程の恐怖が自分の脳髄の中に満ちた...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...私の血はさらに逆流し荒れ狂う...
太宰治 「黄村先生言行録」
...荒れ狂う自然の猛威を見ては...
谷崎潤一郎 「細雪」
...盃に映った火影、なよやかな衣擦れの音、物に遮られた街路の擾音、凡てのものが、踊れ、踊れ、狂うまで踊れ、と囁きかけてくる...
豊島与志雄 「春の幻」
...母を呼んで泣き狂い走り狂う二台の小さな飛行機を止めることはできない...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...解かれる時に狂うものである...
中里介山 「大菩薩峠」
...狂う指の、憂(う)き昼を、くちゃくちゃに揉(も)みこなしたと思う頃、阿父様は御苦労と手ずから御茶を入れて下さった...
夏目漱石 「虞美人草」
...死にたい死にたいと暴れ狂うお徳を押え付け...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狂うばかりであった...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...ごうごうと焔の咆え狂うなかで...
山本周五郎 「柳橋物語」
...豪いもんだ」と無性に喜び狂うておりました...
夢野久作 「白髪小僧」
...氷嚢(ひょうのう)を掴んで悶(もだ)え狂う水夫長を手早く閉め込んで鍵をかけた...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...霹靂(へきれき)に似た喚(おめ)きに狂う龍虎両雄の...
吉川英治 「三国志」
...「女は二人連れと申すが、博多の者か、よそ者かの」「ついぞ見かけたことのないもので、ひとりは四十がらみの媼(おうな)、気の狂うた方は、まだ二十歳にもみたぬ嫋女(たおやめ)でございますが」「何で発狂したのか」「わかりません...
吉川英治 「私本太平記」
...ありがとう! こういう所に永く押し込まれていると、気が狂うほど、甘い物が、欲しくなります...
吉川英治 「親鸞」
...踊り狂うのである...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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