...本当に深く考へれば考へる程私は未成熟のものでないかぎりまた或る欠陥を持つてゐる者とか無能力者、白痴、狂者など、或る種の疾病をもつもの以外に即ち普通の生活に堪へ得るものであつて生理的にも充分発育を遂げたものならば資格は先(ま)づあるものにちがひはないと思ひます、あなたはさうお思ひにならなくつて? 併しどうしても子供の出来ると云ふことが苦痛であつたり、恐ろしいと思ふ念を払ひ退けることが出来ない時には、その場合避妊をするもいゝでせうけれど一旦妊娠してからの堕胎と云ふことになつて来ればさうはいかないと思ひます...
伊藤野枝 「私信」
...徒らに猛り狂ふて...
巌谷小波 「こがね丸」
...鉄格子には狂いが来ているらしく...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...山上通信は、私の狂躁、凡夫尊俗の様などを表現しよう、他にこんたんございません...
太宰治 「創生記」
...やはり前述のごとき個性の放恣(ほうし)なる狂奔を制御するために個性を超越した外界から投げかける縛繩(ばくじょう)のようなものであるかと思われる...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...千鶴子が持(も)て来し白菊のやや狂わんとするをその前に手向(たむ)け...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...母を呼んで泣き狂い走り狂う二台の小さな飛行機を止めることはできない...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...あなたが私から離れ去らうとしたあの狂氣沙汰(きちがひざた)は看過してあげよう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...これらの書類が重要だということは伯爵夫人のひどく怒り狂った顔を見れば推測できます...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...がぜん警部が狂喜した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...私のたつたひとりの倅は倒々気狂ひになつてしまつた...
牧野信一 「歌へる日まで」
...」それから母は大変不安な焦躁を示しつつ殆ど狂的――そんな例を私は未だ私の母に於いて見た覚えがない――と思われる迄...
松永延造 「職工と微笑」
...寧ろ淫するばかりの空想と狂気のやうな幻覚と醜と野蛮とを思ひきり復活さしてくれる事である...
室生犀星 「愛の詩集」
...区長は村のために自分一人が犠牲になって死物狂いに努力しおる名区長じゃというし...
夢野久作 「巡査辞職」
...狂い死(じに)させる設備がチャントこの家の地下室に出来かけているんだ...
夢野久作 「二重心臓」
...彼らが狂舞して誇ったのもむりはない...
吉川英治 「私本太平記」
...法壇はただ意馬心猿の狂いを曼陀羅(まんだら)にしたような図になってしまった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...到頭(とうとう)犯罪狂だといって...
蘭郁二郎 「自殺」
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