...浪の音と磯の香に犇々(ひしひし)と身を包まれて...
石川啄木 「漂泊」
...そして大勢見物人たちの犇(ひし)めいている中で……...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...犇(ひし)めきざわめいた世事の縺(もつ)れは...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...身體の隅々まで物音がはいりこんで犇(ひし)めき合ふ...
田畑修一郎 「南方」
...十台の車は静かな村を犇(ひし)めかして勢よく新宿に向った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...四辺(あたり)にはいつの間にか犇々(ひしひし)と...
徳永直 「冬枯れ」
...犇(ひし)と縋(すが)り付いた兄の手...
野村胡堂 「江戸の火術」
...犇々(ひしひし)と縛り上げてしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...胸に犇(ひし)と抱いたのは女物の片袖...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...片手に犇(ひし)と伴三郎の袖を掴み乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...犇(ひし)と押付けながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それから犇(ひし)と抱きしめて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...暮れ酉刻(むつ)(六時)の定刻を待ちきれずに犇(ひし)めき合ひます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自分の胸に犇(ひし)と抱きしめました...
野村胡堂 「猟色の果」
...今となつては誰も僕のやうな者を相手にしてくれないのが当前だつた」絶望と滑稽感が犇きあつた...
原民喜 「火の踵」
...みんなが熱心に何かを求めている犇めきが感じられた...
原民喜 「ヒロシマの声」
...彼等は忘れてゐた病の重さを犇々と感じ...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...お止めだて下さるな」と一同は鯉口切って犇々(ひしひし)と...
吉川英治 「剣難女難」
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