...蕭条たる気が犇々(ひしひし)と身に応えてくる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...犇々(ひしひし)と私の胸に迫つて来た...
石川啄木 「札幌」
...戦(おのの)き犇(ひしめ)きあう避難民衆の頭の上に降った...
海野十三 「今昔ばなし抱合兵団」
...脇の下から斜(はす)に肩へ掛けても犇々(ひしひし)と搦んだ恐ろしい性(しょう)の悪い藻で有った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...せめては勇壮なる牛姿の一瞥だけでも持たばやと檻を眼がけて犇(ひし)めくのが常例だが...
谷譲次 「踊る地平線」
...十台の車は静かな村を犇(ひし)めかして勢よく新宿に向った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...前にも後にも犇々(ひしひし)と迫って来たから...
中里介山 「大菩薩峠」
...犇々と思い当る様子――...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...犇々と思ひ當ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...犇々(ひしひし)と抱きしめながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...物々しく四方に犇めく氣合...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...犇(ひし)と掴んだのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何時(いつ)までも何時(いつ)までもお忘れでない」「何んの」二人は犇(ひし)と抱き合いました...
野村胡堂 「百唇の譜」
...「世なほしだ! 世なほしだ!」と人間の渦は苦しげに叫びあつて押合ひ犇めいてゐる...
原民喜 「鎮魂歌」
...名状し難い心細さが犇々と込みあげて如何してもだまれなかつた...
牧野信一 「疳の虫」
...お妃は嬉しさのあまり王子を犇(しっかり)と抱き締められましたが...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...犇々(ひしひし)と押しかけて...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...そこは得物を持った村の者が犇(ひし)めいていたので...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??