...近くは犀川(さいがわ)と...
中里介山 「大菩薩峠」
...犀川の渡し、ここを俗に丹波川という...
中里介山 「大菩薩峠」
...行きも帰りも犀川橋を渡らなければならなかつた...
中原中也 「金沢の思ひ出」
...凍れる朝を長野にいって、Kを驚かし、やまやという感心もせぬ旅宿に昼餐(ちゅうさん)したため、白馬山におくられ、犀川よぎり、小諸(こもろ)のあたり浅間(あさま)山を飽(あ)かず眺め、八ヶ岳、立科(たてしな)山をそれよと指し、落葉松(からまつ)の赤きに興じ、碓氷(うすい)もこゆれば、曾遊(そうゆう)の榛名(はるな)、赤城(あかぎ)の山々は、夕の空に褪赭(たいしゃ)色ににじんでいた...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...犀川を二カ所で堰止めたが...
武者金吉 「地震なまず」
...この犀川の上流は...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...六うしろの犀川(さいかわ)は水の美しい...
室生犀星 「幼年時代」
...行逢祭などおたりや祭 下野宇都宮青山祭 信州犀川流域各地花つみ祭 和泉鳳神社鉾祭 是も方々にいふ帶祭 又大名行列...
柳田國男 「祭禮名彙と其分類」
...この嶺は木曾川と犀川との分水嶺になっている...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...犀川の広さ、千曲川の長さ、ここは敵地ながら、ここの眺めはいつも好きだ...
吉川英治 「上杉謙信」
...犀川(さいかわ)に沿い...
吉川英治 「上杉謙信」
...犀川、千曲川の二つの縦横な奔流に囲まれて、善光寺平の一部に三角形のひろい干潟(ひがた)ができた...
吉川英治 「上杉謙信」
...――従って、今よりお断り申しておくが、今日、ここに御辺と酌み交わして、明日犀川、千曲の流れの畔(ほとり)で、御辺と兵馬のあいだにまみえようとも、初鹿野伝右衛門が槍先は決して鈍るものではござらぬぞ」「御念には及ばぬ...
吉川英治 「上杉謙信」
...何か、中軍の御主君をかこんで、諸大将が寄っている」「立ち評定か」後方の足軽組などのあいだに、そんな私語(ささやき)がやや騒(ざわ)めきかけたと思うと、たちまち謙信の声と、その姿とが、全軍の上へ向って、「小荷駄、大荷駄をのぞき、先鋒隊より順次、犀川を左に見て、東――八幡原のほうへ向って徐々迂回(うかい)前進せい」という大号令が聞えた...
吉川英治 「上杉謙信」
...「妻女山より加勢の敵は、何分大兵、それに新手(あらて)、一概には支えかねおりますが、お味方こぞって、徐々と、この犀川、丹波島の此方へさして引揚げておりまする...
吉川英治 「上杉謙信」
...犀川まで引いて来た...
吉川英治 「上杉謙信」
...犀川の岸に、大旗を立てて、なお集まる味方を待っている甘糟近江守は、それから一刻(とき)あまりも、いんいんと貝の音(ね)をふきつづけていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...蓮華草この辺(へん)にもとさがし来て犀川岸(さいかわぎし)の下田(しただ)に降(お)りつげんげん田もとめて行けば幾筋(いくすじ)も引く水ありて流に映(うつ)るおほどかに日のてりかげるげんげん田花をつむにもあらず女児(めのこ)らさきだつは姉か蓮華の田に降(お)りてか行きかく行く十歳下(とおした)三人(みたり)という一連の歌などは...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
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