...やはり特殊なる境遇に適応したる実現の方法を採らなければならぬ...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...始めてそれは文樂と異つた特殊な存在であることを主張することが出來るのである...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...ある特殊な紳士たちはバーグレーヴ夫人の口からみな直接にこの物語を聞いたのであった...
デフォー Daniel Defoe 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...それに特殊な条件が加わって始めて涼しさが成立するのである...
寺田寅彦 「さまよえるユダヤ人の手記より」
...意識は歴史的社会に於ける一つの特殊な存在である...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...こうした人間個人の社会的実験の特殊な場合が...
戸坂潤 「技術の哲学」
...云わば文学プロパーとも云うような特殊な地域があるという事実は抹殺出来ないが...
戸坂潤 「思想としての文学」
...平凡ななかに特殊な風趣を含んだものであるが...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...市長の言葉に曖昧(あいまい)な特殊な意味を与えるものだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...肉体的にも精神的にも亡びなければならぬ特殊な婦人の階級を公認している...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...新雪表面に出来た場合にはスキー家たちが「葉雪」という特殊な名前で呼んでいる...
中谷宇吉郎 「雪」
...やはり男女両性の間にしか起り得ない特殊な親しみであった...
夏目漱石 「明暗」
...それのみならずあの人は特殊な人で...
夏目漱石 「模倣と独立」
...本質に特殊なリリツクを持たないものは似而非物である...
萩原朔太郎 「冬の情緒」
...何か特殊なもののやうな気もして来る...
林芙美子 「浮雲」
...猛烈に勢ひの滑らかな彼特殊な東北弁で...
牧野信一 「円卓子での話」
...何の特殊な難しさでもないものをと私はそのとき考え込んだ...
横光利一 「夜の靴」
...自分はここに孔子の語録のこの特殊な様式を力説してこの小著を結ぼうと思う...
和辻哲郎 「孔子」
便利!手書き漢字入力検索