...出ればまた物騒な事をして人を苦しめるし――実際人間のカスだね...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...しかも同志の間ではちょうどピストル強盗といったような形で赤い着物がよく似合うとからかわれていたほどの物騒な面構えなのにもかかわらず...
大杉栄 「続獄中記」
...そしてすぺいんらしい物騒な欲望を寓意して...
谷譲次 「踊る地平線」
...実際自分らの子供の時分に自由党のけんかの頻繁(ひんぱん)であったころは鍬(くわ)の柄をかつぎ回ったりまたいわゆる仕込み杖という物騒なステッキを持ち歩くことが流行して...
寺田寅彦 「ステッキ」
...「物騒な人!」彼はこの言葉を忘れはしない...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...湖辺湖岸の物騒な大衆がドノ辺まで騒いで...
中里介山 「大菩薩峠」
...ますます物騒な感じがした...
夏目漱石 「坑夫」
...この辺は物騒な海域だった...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...物騒なことになっているんだ」山木は急に顔色を変えてウロウロと膝を立て...
久生十蘭 「魔都」
...これァどうも物騒なことになりました」印東は媚めかしく片膝を立て...
久生十蘭 「魔都」
...物騒な相手に見えていた二人の博士が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...物騒な事を云うなよ……オヤッ...
夢野久作 「二重心臓」
...コイツは物騒な船に乗ったもんだと思った...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...漁師の置忘れた銛(もり)という物騒な道具に相違ありません...
吉川英治 「江戸三国志」
...物騒な動揺が兆(きざ)し始めた...
吉川英治 「平の将門」
...物騒な人間をそちは供に連れあるくな」「えっ? ……わたくしの」思わず腰をついて...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...大晦日(おおみそか)などという物騒な日に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...当時の日本の物騒な情勢から見て...
和辻哲郎 「鎖国」
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