...ついでながらこの物騒な物は『クルックド・マン』に見られたシャーロック・ホームズの冒険の昔から他殺と見誤られるような工合に人を殺して来ている...
井上良夫 「J・D・カーの密室犯罪の研究」
...この物騒な江戸の町の深夜を我物顔(わがものがお)に...
中里介山 「大菩薩峠」
...この物騒な屋敷の中で行われるようになると穏かではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...物騒なのが二人、連れ立って来るからには、もう少し肩の風が先吹きをしていそうなものだと思えないでもないが、そこは疾(と)うに亡者の数にはいっている二人の者、音もなく、風も吹かさず、入り込んで来たからとて、そう驚くがものはないのだが、兵馬は驚いたのみならず、多少、狼狽(ろうばい)の気味でさえありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...物騒な京都の夜を...
中里介山 「大菩薩峠」
...とかく物騒な事ばかり持ちあがっては...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...かく物騒な女が天(あめ)が下(した)に生を享(う)けて...
夏目漱石 「虞美人草」
...物騒なのは隣の屑屋より外にゃありゃしません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...したがって、たいへんご内福で、それに、このたび、鹿児島の英吉利(えげれす)騒動につらなって藩の武器買入れのため、御用金をたんとお預りになっていらっしゃるので、ついこの裏のお金蔵には、黄金(こがね)が夜鳴きしているそうでございます」「ほほう、時節柄、それは物騒な話...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ひどく物騒なやつが入って来たら...
久生十蘭 「魔都」
...芝居にすると相当物騒なんですから...
夢野久作 「二重心臓」
...物騒なお屋敷におさらばを告げているというのに...
吉川英治 「江戸三国志」
...何かに吐け口を見なければやまない物騒な青春の火――その火が運命の燎原(りょうげん)をみずから焼いているのだ...
吉川英治 「大岡越前」
...物騒な姿勢である...
吉川英治 「私本太平記」
...物騒な直刃(すぐは)の戒刀(かいとう)が...
吉川英治 「新書太閤記」
...物騒な瓦の欠(かけ)らを投げつけようとしているどこかの法師の顔を見つけて...
吉川英治 「親鸞」
...このまま日蔭では白骨になりきれない物騒な豪の者が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...おれみたいな物騒な人間が町名主の下役をする...
吉川英治 「宮本武蔵」
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