...今度はこっちで何となく物足りないような心もちがする...
芥川龍之介 「鼻」
...まだ物足りないやうな氣がした...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...実は口よごしといった位のもの……それでかえって物足りない気がして...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...全然飲まない人と云うものも何となく物足りないような気がしていた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何となく物足りないのは...
田山録弥 「あちこちの渓谷」
...芸術家には甚だ物足りない訳なのである...
田山録弥 「社会劇と印象派」
...ピストルの響きの紋切り形があまりにうるさく幅をきかせ過ぎて物足りない...
寺田寅彦 「映画時代」
...お富を一段上へ行ったようなお角がいないのが物足りない...
中里介山 「大菩薩峠」
...この上もなく物足りないながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...どことなく物足りないことがあるけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...怨恨の対象としてさえ物足りない気がする...
中島敦 「李陵」
...それでこの物足りない返事が少し私の自信を傷(いた)めた...
夏目漱石 「こころ」
...始終物足りないに違ない...
夏目漱石 「それから」
...其處には或る物足りないやうな何物かが殘つた...
「修道院の秋」
...読者の方が物足りない...
平林初之輔 「私の要求する探偵小説」
...も一つ物足りない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...いつもそれに食ひ入るやうに見入つてゐた君の靜かな姿のそれと共に見えないのが何處やら物足りない...
堀辰雄 「夏の手紙」
...もう少し熱心に聞けばよいのにと源氏は物足りない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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