...今までの物臭さに似ず...
有島武郎 「星座」
...何にしてもこの物臭い風つきは小ざっぱりした部屋の空気に調和しないばかりでなく...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...私の身心はあまりに物臭になつてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...しぐれする夜のなごやかさは物臭な私に粥を煮させる...
種田山頭火 「『鉢の子』から『其中庵』まで」
...物臭太郎を目的としていれば差支えない...
中里介山 「大菩薩峠」
...物臭太郎の正体がわからない...
中里介山 「大菩薩峠」
...物臭太郎にあやかったわけでもなかろうが...
中里介山 「大菩薩峠」
...物臭太郎も名乗りを持っているということを...
中里介山 「大菩薩峠」
...物臭太郎では勿体(もったい)ない――新たに歌左衛門という名を...
中里介山 「大菩薩峠」
...物臭太郎の場合は...
中里介山 「大菩薩峠」
...乾物臭い納屋の二階に登りましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...父は物臭で、なにひとつ娘たちに身の立つようなこともしてくれなかったが、一人々々が古沼の淀みから出て、幸福になることを、心から願っているので、世間で評判しているような、金穀でむすめを売り沽かすなどということはなかった...
久生十蘭 「奥の海」
...佐介は闘志を失って物臭くなり...
久生十蘭 「春の山」
...この物臭なようすは...
久生十蘭 「雪間」
...物臭(ものぐさ)な...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...これらの主治医の診断にもかかわらず私は私自身を放棄する立場を感じたのは物臭さからであった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...何ともいえない劇毒薬の蒸発するような動物臭が腸(はらわた)のドン底まで沁(し)み込んで行く...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...御主人にも、よしなにお伝えを」口愛想はよいが、物臭く、腹這いのまま、奥から呶鳴っているのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
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