...若者はその琅に物欲しそうな眼を落しながら...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...別段自分たちの方から手を出して物欲しそうな顔をするのでもなく...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...物欲しそうな面(つら)の、金持ちらしいのがうろうろしてたら、こうこうこうしてこうするように――」なんてちゃあんと文句まで教わって出て来たんだが、なるほど、親分の言ったとおりに、物欲しそうな、金持ちらしいあめりか人や英吉利(イギリス)人――どっちも私には一眼で判る――が、到るところに大いにうろうろしてはいるんだけれど、さて、路上そいつへ近づいて自然らしく交際を開始する段になると――...
谷譲次 「踊る地平線」
...この物欲しそうな面(つら)の外国(げいごく)の金持ちをあつめて...
谷譲次 「踊る地平線」
...その物欲しそうな面(つら)の外国の金持ちを集めてしこたまふんだくって一晩引っ張り廻そう――てのが...
谷譲次 「踊る地平線」
...粋な着附けの色合を物欲しそうに盗み視(み)ている女の多いのを...
谷崎潤一郎 「秘密」
...兄弟達に食物を頒(わ)けるとき、お島だけは傍に突立ったまま、物欲しそうに、黙ってみている様子が太々(ふてぶて)しいといって、何もくれなかったりした...
徳田秋声 「あらくれ」
...或は物欲しそうな顔をしている...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...イヤに物欲しそうな面(つら)あしておいでなさる...
中里介山 「大菩薩峠」
...物欲しそうに自分の室(へや)の中を見廻(みまわ)した...
夏目漱石 「こころ」
...現にその自尊心を裏切(うらぎり)している物欲しそうな顔付(かおつき)とを同時に彼らの前に示すのです...
夏目漱石 「こころ」
...……あまり物欲しそうにはしねえ公方(くぼう)さまが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...何か物欲しそうじゃないですか」「ええ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...ところで書類は?」シャレがとても物欲しそうに訊(き)いた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...いつも物欲しそうに人の財布をのぞきこんでいるような飯尾さんの卑しさが嫌いだったからである...
矢田津世子 「父」
...そんな所に物欲しそうにまごついているか」「…………」呂布は...
吉川英治 「三国志」
...その時、小次郎が、物欲しそうに、何かいいかけて来そうにしたから、あわてて、身をそらした程なんだ...
吉川英治 「平の将門」
...なにか物欲しそうな顔をする...
吉川英治 「宮本武蔵」
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