...君は北園竜子だね」博士は物柔かに云って...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...」医者は猫のやうな物柔かな声で訊いた...
薄田泣菫 「茶話」
...母が以前にもまして物柔かに父に対してゐるのを見ると...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...それかと言って態度はあくまで物柔かであった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...彼のぶくぶくした身体の物柔かな動作までが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...綱手は、母を片手で押えながら「駕は、二梃共、御入用?」侍は、落ちついた綱手の態度と、その美しさと、物柔かさとに、挫けながら「一梃でよい――無礼な」と、呟いて、駕の方へ去った...
直木三十五 「南国太平記」
...お雛の許婚の重三は、十年越し店に勤めた忠義者で、女のやうに優しい感じのする、物柔かな好い男、近江屋にはこれも遠縁に當るさうですが、それよりは、眞面目(まじめ)な勤め振りと、人柄を見込まれて、先代がお雛の許婚に定めた位の若者です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は物柔かに問ひ進みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...男がよくて物柔かですから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...入口には女の客が来たらしく平次の女房のお静が物柔かに掛け合っております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...言葉の上方訛(なま)りも妙に物柔かに聞えます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物柔かな驅け引きだつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物柔かで戰鬪的で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んとなく物柔かで辯舌も爽(さわ)やかです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少し申し上げたいことがありますが――」妙に物柔かい女の聲が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...急に物柔かな態度になった...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...ボオイの独逸(ドイツ)人が物柔かな仏人に代つて初めて私は悠(ゆる)やかな気分になつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...東京の人である女主人初め女中達も物柔かに静かな感じの好い人達であつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
便利!手書き漢字入力検索