...(『ホトトギス』、二四、七)俳話小話(四)深い心の人、浅い心の人、広い心の人、狭い心の人、大きな思想家、小さい思想家、懐疑派、楽天派、憤慨家、呑気者(のんきもの)、労働者、知識階級、貧乏人、物持ち、それらは問わない、如何なる種類の人でも、本当の心持を詠(うた)ったものは結構...
高浜虚子 「俳句への道」
...前から多少とも物持ちの家でも財産を減らさぬようにと心掛け...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...恐らく一番の物持ちだらうと云はれた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...物持ちのいいとは思えない瑠美子に弄(いじ)らせたくはなかったので...
徳田秋声 「仮装人物」
...やはりこの町の町人で物持ちの家に雇人のようにして住みこんでいる...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ジャンナン夫人は田舎(いなか)の物持ち一流の偏見にとらわれていて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼の主人たる此の島の第一長老(ルバック)はパラオ地方――北は此の島から南は遠くペリリュウ島に至る――を通じて指折の物持ちである...
中島敦 「南島譚」
...一人はここの城下で随一の物持ちで御座んす」「はあ...
夏目漱石 「草枕」
...原庭の物持ち後家(ごけ)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その次は下女のお萬が物持ちで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物持ちの伊八の持家で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物持ち金持ちだと言うではないか...
正岡容 「寄席」
...叔父さまも荷物持ちくらいに連れて行って上げるわ...
森本薫 「女の一生」
...おるいさんの物持ちのいいことであった...
山本周五郎 「季節のない街」
...それはまさしく清潔好きと物持ちのよさを示す点で壮観とさえいえただろう...
山本周五郎 「季節のない街」
...私もいちどは断わったんだが」荷物持ちの稼ぎのことは...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...荷物持ちしていたって云ったから...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...彼の魂の過去への物持ちが奔逸(ほんいつ)な現実的な近代主義に打克つことができなかった...
吉行エイスケ 「地図に出てくる男女」
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