...二日の物憂い旅の後に晩秋の東京に着いた...
有島武郎 「小さき者へ」
...物憂い様な泣声が...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...言葉をかけようとしたが舌が重くって物憂い...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...ひどく物憂い気持に襲はれたのである...
太宰治 「お伽草紙」
...室内は物憂い静寂に復(かえ)った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...物憂い表情をうかべる...
田畑修一郎 「南方」
...物憂い五体を提げ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...みな緩慢な動作の物憂い幻だったとしか思えない」八十度圏は...
久生十蘭 「南極記」
...この物憂い筆をとっていると言えようか...
堀辰雄 「ほととぎす」
...徳ちやんの上に物憂い同情の念が湧くのみだつた...
牧野信一 「街角」
...ちやうど物憂い寢ざめからさめると...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...物憂い昼間の仕事台に向っていたときの男とは別人のような元気と精力をもっているようにおもわれた...
室生犀星 「香爐を盗む」
...物憂いながらわたしは気づいてゐた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...わたしはむしろ物憂い嫌厭に似た気もちにさへなつた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...へいぜいの鉄の物憂い調子の間にあらはれた...
室生犀星 「鉄の死」
...冬が起き上ったような物憂い寒々した腰つきが...
室生犀星 「童話」
...行燈(あんどん)に灯を入れるのも物憂いので...
吉川英治 「江戸三国志」
...さだめし物憂い顔しておろう」信長は...
吉川英治 「新書太閤記」
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