...ほんの物好きな出来心だったから...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...こんな日に出歩く物好きな人もいないと見えて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...物好きな研究家(研究家といふものは物好きと麺麭(パン)と水とだけで生きて往(ゆ)かれる安価な人間である)が...
薄田泣菫 「茶話」
...物好きな蒐集家が鵜の目鷹の目で...
薄田泣菫 「茶話」
...なにしろ今から四十何年の昔のことでござりましてそのころは京や大阪の旧家などでは上女中(かみじょちゅう)には御守殿(ごしゅでん)風の姿をさせ礼儀作法は申すまでもござりませぬが物好きな主人になりますと遊芸などをならわせたものでござりますから...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...もしや物好きな閑人(ひまじん)のためにどこかの図書館の棚(たな)のちりの奥から掘り出されでもすると実にたいへんな恥を百年の後にさらすことになるのである...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...不遠慮な物好きな者らにトリフォンの詩が語ってきかせるようなものにすぎない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...物好きな江戸ツ子の耳に傳はりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...岡つ引などをからかひたがる物好きな馬鹿がうんと居る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...緑の黒髮を切つたと――その頃の物好きな江戸つ子達は惜しがりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お金持で、暇のある、物好きな連中が、毎日、雲のように押しかけて来ます...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...この時一人の物好きな者があって...
穂積陳重 「法窓夜話」
...もしかして大英博物館のすばらしい収蔵品も知らない? 物好きな外人でも知ってるぞ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...物好きな世間がそれに釣られる心持を...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...物好きな眼つきでちょいちょいと老夫人の方を見やる...
矢田津世子 「女心拾遺」
...物好きな閑人(ひまじん)は一人でも多くの地名を附けんと試みるものである...
柳田國男 「地名の研究」
...主人の物好きな――とは思ったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...サロンを物好きな流行女の号令によって...
吉行エイスケ 「恋の一杯売」
便利!手書き漢字入力検索